映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「モダン・ラブ 〜今日もNYの街角で〜」第8話 感想

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モダン・ラブ 〜今日もNYの街角で〜 第8話、みた。これにて完走。今回は老婦人の恋のはじまりと終わりについて。ケンのやさしそうな笑顔がいい。すべてマーゴの目線で彼を回想する演出になっているのもにくい。そして、この街に住むすべての人を祝福する雨!みんな同じ空を見てたんだね。

「フォードvsフェラーリ」感想

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フォードvsフェラーリ、大傑作!ル・マン耐久レースで絶対王者フェラーリに挑むフォードの男たちの戦いを描く。全力でマシンに向き合う現場と巨大組織の論理で動くスーツ組の対立、マイルズとシェルビーの信頼関係、そんな夫の情熱を信じる妻と息子…。みんなの想いを乗せて荒々しく走るGT40に惚れる。

風を切って走るGT40。タイヤが路面に吸い付き、全身にかかる重力が7000回転の威力を物語る。コックピットのフロントガラスから覗いているかのように低空を走るカメラ、外れそうなぐらい高速で転がるホイール、轟々と音を立てて回るエンジン…たしかに焦げたゴムと油の臭いが劇場を満たしてた。臨場感!

行け!行け!って叫びたくなりましたよ。冒頭のプレゼンでアイアコッカが語っていたが、やはり戦いは人々の胸を熱くする。追い抜き、追いつかれ、持ちうるすべての知識と勘を総動員させ、マシンと対話しながら駆け引きを仕掛ける。コックピットの中は孤独だが、たくさんの仲間の力があって走っている。

レースにはそういう〈対話〉が溢れている。騒々しいエンジン音の裏で、たくさんの人々の声が行き交っている。レーサーとマシン、ピットのメンバーとマシン、レーサーとマシン、ライバルのレーサー同士、そしてマイルズとシェルビー、ピーター、モリー。僕らの胸を熱くするのはそんな無言の会話なのだ。

現場の〈対話〉に耳を傾けない、その声が聞こえていないのは、スーツ組の面々だ。澄ました顔で関係者席から眺めているだけではわからない世界があることを、観客の僕たちは知っている。フォード二世が実車に乗る場面は痛快だった。

「エクストリーム・ジョブ」感想

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エクストリーム・ジョブ、みた。解散寸前の麻薬捜査班は、張り込み捜査のためにフライドチキン屋を開くが、なぜか大繁盛してしまい…。5人のダメダメっぷりに笑う。本職どっちだよ!って。小ボケをかまし続けつつ、ちょうどいい緩急で飽きさせない。それでいてキメるとこのはキメる。良作でした。

ベタにベタを重ねた感じで、もはや古典的な匂いすら漂っている。けれど、この刺激の少なさに安心するのだ。〈欲しい〉展開をなぞりつつ、その過程は予想を超えるトラブル続き。これが気持ちいい。捜査班のメンバーもダメダメすぎて愛せる。

「モダン・ラブ 〜今日もNYの街角で〜」第7話 感想

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モダン・ラブ 〜今日もNYの街角で〜 第7話、みた。大傑作!子どもを望むアンディとトビン。しかし、紹介されたのは奔放すぎるホームレスの女性で…。さすがジョン・カーニー。じっくり互いを理解しあう過程があたたかい。ふたりの子どもが大人になる頃、世界はもっと彩り豊かになっているだろうな。

オリヴィア・クックの自由奔放な性格が愉快だ。良くも悪くも図々しく、正直俺だったら耐えられないけど、それを受け止められるふたりはやっぱり柔軟で優しいんだよね。トビンの器デカすぎるだろ!と思ったけど、一方のアンディはきっと人より繊細なんだろうなと思う。転調パートからがすごくよかった。

「モダン・ラブ 〜今日もNYの街角で〜」第6話 感想

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モダン・ラブ 〜NYの街角で〜 第6話、みた。小さい頃に父を失ったマデリンは、ロマンスグレーの上司に父の姿を重ねるようになり…。これは好みが分かれそうなエピソード。俺はどちらかというと「それはダメでしょ」派です。ただ、未熟さゆえに描いた夢にすがってしまうマデリンは愛おしい。

動物園でぬいぐるみを離したくなさそうに抱きしめるところとかね。ああ、この子は11歳の頃で時が止まってるんだと。自分の中の幼さを手放せない。切実だよなあ。でもやっぱり第1話のシングルマザーとドアマンの絶妙な距離感を見せられた後だと、モヤモヤが残ります。

「モダン・ラブ 〜今日もNYの街角で〜」第5話 感想

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モダン・ラブ 〜今日もNYの街角で〜 第5話、みた。一夜を共に過ごすはずが、病院送りになった男と看病する女の話。病院というロマンスとはかけ離れた空間。こんなずじゃなかったのに…っなりつつも、夜通しおしゃべりする中で徐々に心を開いていく。二人にとって忘れられない思い出になるだろうな。

夜な夜な語り明かすっていいですよね。せっかくお家まで誘ったのに救急搬送になってしまったロブも、意中の女性に情けないところを見られてガッカリしながら、いっしょにいてくれることが嬉しかったはず。まさしく「怪我の功名」で、思わぬところに未来への鍵が転がっていた。面白いかった。

 

「モダン・ラブ 〜今日もNYの街角で〜」第4話 感想

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モダン・ラブ 〜今日もNYの街角で〜 第4話、みた。仲は良いはずなのに破綻しかけている夫婦の物語。カウンセリング(休日のデート扱い)のくだりが面白い。「あなたの趣味が料理というなら私はトイレ掃除ね」と。無神経な夫と辛辣な妻。好きな人のはずなのに、一緒にいる自分が嫌いになってしまう。

夫の仕事が俳優なのもあり、「マリッジ・ストーリー」を連想してしまう。それよりかはもっと軽妙で脱力系だけど。ティナ・フェイが夫を愛する穏やかな妻の顔と、夫にイラつきつい当たってしまう時の顔と、演じ分けていていいなあと思った。ジョン・スラッテリーの余裕ありすぎてウザいところもグッド。

これまでで一番フツーといえばフツー。どこにでもありそうな中年夫婦の危機といった話で、特にひねりはない(テニスのくだりなんて露骨だ)のだけれど、ディテールの強度がしっかりしてるから見応えがある。それこそラリーのように鋭く言葉を投げ合いケンカするあたりは長年の積み重ねを感じて楽しい。