映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「フリーソロ」感想

フリーソロ、みた。今年ベストの一本!ロープなし&素手で945メートルの絶壁に挑戦する男を追うドキュメンタリー。数ミリのミスが死に直結する環境で、つねにパーフェクトとエクセレンスを求めるオノルド。最後20分のスリルよ!鑑賞後の手汗と徒労感がすさま…

「惡の華」感想

惡の華、みた。女子のブルマを盗んだことから始まる春日と仲村のサディスティックな主従関係。特別な存在でありたい、あの山の向こうへ羽ばたきたいという思春期の激烈な情動と、暴力的なまでのイノセンス。そして性への執着と裏返しの、成長への困惑。どす…

「工作 黒金星と呼ばれた男」感想

工作 黒金星と呼ばれた男、超絶大傑作。北朝鮮に潜伏するスパイを描く、実話に着想を得たスリラー。命を賭けた緊迫の駆け引きと、徐々に浮かび上がる祖国の真の姿。鍵を握るリ所長とパクの、国境や立場を超えた信頼関係。巨大な力に翻弄されながら、それでも…

「いなくなれ、群青」感想

いなくなれ、群青、超絶大傑作。捨てられた人々が集まる階段島で再会した七草と真辺。前に進むことを拒み、閉じた世界に満足しようとする、この島の閉塞感はいまの日本の鏡だ。「他者」と出会い、本気でぶつかる時のあのヒリヒリとした感覚。夜空に彼女を見…

「スタートアップ・ガールズ」感想

スタートアップ・ガールズ、みた。自由奔放な起業家の光と、堅実な大企業勤めの希。正反対のふたりがぶつかり合い、成長していく様を描く。光のように羽ばたきたいって気持ちも、地に足つけて頑張らなきゃっていう希の考えもわかる。東宝シンデレラガールズ…

「かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦」感想

かぐや様は告らせたい 天才たちの恋愛頭脳戦、みた。大傑作。恋をする人なんて側から見れば馬鹿で、愚かで、無様なもの。プライドが高い二人の滑稽なつば迫り合いが楽しい。生徒会室のチンチン合戦や佐藤次郎のいつものアドリブなど、展開上不要かつパンチの…

「ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん」感想

ロング・ウェイ・ノース 地球のてっぺん、みた。超絶大傑作。行方不明となった祖父の名誉を取り戻すため、北極を目指すサーシャの物語。箱入り娘が数多の試練を乗り越え、たくましく成長していく様に涙。シンプルながら洗練されたアニメーション。ブリザード…

「メランコリック」感想

メランコリック、超絶大傑作。転がりこんだバイト先の銭湯がヤクザの「仕事場」だった…。窮屈に生きる鍋岡も、笑顔が優しい百合も、意外と頼り甲斐のある松本も、みんな大好きになる。タイルに広がる禍々しい鮮血と、酒飲み交わし温かいご飯を頬張る時間の激…

「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」感想

「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲」をひさびさに。超絶大傑作。無邪気だったあの頃に帰りたいと願う大人と未来を取り戻そうとする子ども。かつて想い描いていた21世紀はやって来ない。大人は弱くて脆くてずるい。現実は腐ってる。そ…

「男はつらいよ 寅次郎相合い傘」感想

男はつらいよ 寅次郎相合い傘、超絶大傑作!メロン騒動のしょうもなさに笑い、柴又駅での相合い傘に泣く。「あら、迎えに来てくれたの?」『馬鹿野郎、散歩だよ』のやりとりは絶品。「女の幸せ」の型にはめられることに憤るリリーの言葉は今でも刺さる。彼女…

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」感想

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド、みた。60年代終わりのハリウッド、落ちこぼれの俳優とスタントマンの3日間を描く。思い通りいかずに暴れ、最高の演技に喜びを噛みしめるリック=ディカプリオが愛おしい。そしてシャロン・テートもこの時代を…

「劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD」感想

劇場版おっさんずラブ LOVE or DEAD、みた。あなたが私を忘れても、たとえあなたじゃないかもしれないと言われたとしても、一途に想い続けるということ。側から見れば「歪」な関係。それもまた「LOVE」なのだ。不器用な映画だが、たっぷり笑いました。サウナ…

「青の帰り道」感想

青の帰り道、みた。高崎で夢を語り合った7人。あの頃はこの世のすべてを手に入れられる気がしたけど、世界はそれほど優しくなくて…。あんなに仲の良かった7人が、ボロボロに傷つき、疲弊して、空中分解していく。ちょっと辛気臭すぎたかな。「新聞記者」とい…

「無限ファンデーション」感想

無限ファンデーション、みた。大会に向けて準備を進める演劇部の姿を全編即興劇で切り取った青春グラフィティ。自由度が高いゆえの浮遊感、足場の落ち着かなさは拭えないが、それでも、計算の外へと飛び出す若さと無軌道なエネルギー、演技の拙さには不思議…

「感染家族」感想

感染家族、みた。超絶大傑作!田舎町の家族にやってきたゾンビと彼らに降りかかる災難を描くコメディ。パンデミック映画でここまでハッピーな気持ちになれるなんて!危機感のない愛すべきバカたち。キャベツ畑デートとゾンビディスコは最高に笑った。最後は…

「ロケットマン」感想

ロケットマン、みた。自己愛を求め彷徨うエルトン=レジーの物語。親の愛を受けられず、本当の自分を曝け出せない内気な青年が「なりたい自分」を演じる矛盾。破滅に向かう一方で派手になるパフォーマンス。完全に壊れてしまった心を押し込める道化のような…

「二ノ国」感想

二ノ国、みた。現実世界の生死とリンクした異世界・二ノ国での冒険を描く。ユウとハル、コトナ=アーシャ姫。「似た者同士」の親友の友情と対立、手の届かないあの人への恋心、ここではないどこかで活躍したいというイノセントな欲求はツボ。良作。ただ世界…

「ディリリとパリの時間旅行」感想

ディリリとパリの時間旅行、大傑作。南の島の少女が、キュリー夫人やロートレックら偉人との出会いを通じ、怪事件に挑む。ベル・エポックが舞台だが、現代社会への痛烈な眼差しも。少女には無限の可能性がある。彼女たちにはどこまでも遠くへ羽ばたいてほし…

「イソップの思うツボ」感想

イソップの思うツボ、みた。女子大生のささやかな恋心から始まる、一筋縄ではいかないサスペンス。「カメ止め」の二匹目のドジョウを狙ったが…会話劇が鈍重かつ説明的でうまく機能せず、キャラの魅力を描くことに力を入れてほしかった。どうせなら最後までタ…

「ピュア!〜一日アイドル署長の事件簿〜」感想

ピュア!〜一日アイドル署長の事件簿〜、みた。腹黒な浜辺美波と若干ポンコツの東出昌大の凸凹コンビが事件に挑む。トリックも構成も雑だが…ゆるふわな雰囲気と被せネタをたのしむ。浜辺美波がとてもキュート。たくさん変顔してくれてうれしい。東出昌大も逆…

「彼女と彼女の猫 - Everything Flows -」感想

彼女と彼女の猫 - Everything Flows -、みた。転校して一人ぼっちだった女の子が猫と出会い、やがて東京で社会に揉まれていく。江國香織の「デューク」を思い出す脚色。原作の閉じた世界観が好きな身としては物足りなさもあるが、優しさに溢れる良作でした。…

「ダンスウィズミー」感想

ダンスウィズミー、みた。超絶大傑作。音楽を聴くと踊らずにはいられない催眠にかかったOLの珍道中を描く。チャーミングで少々毒っ気のある矢口節はミュージカルを題材にしても健在。三吉彩花が最高にかっこいい。そして宝田明の色気!まわりの目なんて気に…

「やくざ絶唱」感想

やくざ絶唱、みた。傑作。異母妹を守ることだけが生きがいの兄・実。獣のように周囲の人間を殴り、暴れ続ける。勝新太郎のでっぷりした体躯とつぶらな瞳が、倒錯した純愛を強烈なものにする。兄の想いに反して男を引き寄せるあかねもまた罪な存在。ふたりの…

「彼女と彼女の猫」感想

彼女と彼女の猫、みた。傑作。この後の監督の作品のタネがたくさん散りばめられている。あいかわらず「お姉さん」なのと、新海誠がひたすらボソボソしゃべっているあたりは笑ってしまったけど…やはりこの世界への独特のまなざし、感じ方!女性の細い指や髪を…

「コンチネンタル」感想

コンチネンタル、みた。アステア&ロジャースの黄金コンビ初主演映画。すれ違い方が相変わらず強引で可笑しい。「タイトルナンバーの「コンチネンタル」や「夜も昼も」の優雅でダンサブルなメロディ、そしてアステアのすらっと伸びた足の機敏な動きとロジャー…

「よこがお」感想

よこがお、みた。介護士の身に降りかかる理不尽をふたつの時間軸で描く。親愛の情から失望、そして憎悪へ。冷たい空気と嫌悪感。ずるずると泥沼に沈んでいく市子の悲劇は、誰にでもあり得る話。横顔はその人の一部でしかない。人間はアシンメトリーで不安定…

「幸福の設計」感想

幸福の設計、超絶大傑作。パリの下町に生きる夫婦の小さな騒動を描く。美しく快活な妻・アントワネットと好青年だが甲斐性のない夫・アントワーヌ。小気味好い会話劇から宝くじを巡るサスペンスへ。あまりに些細でまぬけな騒動。きっとこれからずっと二人の…

「顔のない眼」感想

顔のない眼、みた。事故による火傷で美貌を失った娘のため、父・ジェネシュ博士は若い女性を相次いで拉致し…。おぞましくも異様な美しさを放つクリスチーヌの白いマスクは本作の象徴。ドキッとさせられる直接的描写も多く、見応えあった。ラストの選択の開放…

「20センチュリー・ウーマン」感想

20センチュリー・ウーマン、超絶大傑作。シングルマザーと息子、そして彼を見守る二人の女性。どれだけ愛していても想いは届かない。すれ違い、ぶつかり合う。母と子、男と女、ボガートとパンク。見える景色は違うけど、幸せになりたい、幸せになってほし…

「殺人者の記憶法」感想

殺人者の記憶法、みた。認知症の元殺人鬼 vs 現役殺人鬼。先を読ませないミステリー。主人公が「信頼できない語り手」であることがわかってきたあたりから、お話はがぜん面白くなる。記憶と空想の混濁の末に明らかになる男の罪。語りが若干もたつくが、「メ…