映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「天国はまだ遠い」感想

天国はまだ遠い、みた。17年前に死んだ女子高生・三月の幽霊とAV編集を生業とする男、彼の元に訪れる三月の妹。やはり震災を連想。大切なひとが消えても、世界は変わらず回り続ける。本当にそこに死者は存在するのか?という緊張感。ヒリヒリとした居心地の…

「母なる証明」感想

母なる証明、傑作。殺人で逮捕された知的障害の息子のために真犯人を探す母。これは母ゆえの愛情なのか、それとも息子への執着なのか。この世界に混じり気のないピュアな善意だけの人間などいない。エゴと保身と強欲。ひんやりとした感覚だけが胸に残った。…

「天井桟敷の人々」感想

天井桟敷の人々、みた。パリの芝居小屋で繰り広げられる恋愛模様を描く。愛しあう二人にパリの街は狭い。いやあ、面白かった。美女ガランスに対する三者三様のアプローチ!威張り散らすフランソワ、グイグイいくナルシストのフレデリック、一歩引いて後悔す…

「コタキ兄弟と四苦八苦」全話感想

コタキ兄弟と四苦八苦、みた。レンタル親父と行きつけの喫茶店の看板娘。個性豊かな依頼人との交感、そして終盤の驚きの展開。シンプルな構成ながら〈生きる苦しみ〉をユーモアたっぷりに描く。野木脚本の生真面目さと山下演出の脱力感、そして主演陣の自然…

「網走番外地」感想

網走番外地、みた。危篤の母に会うため脱獄を試みる男の物語。悪事のレベルで威張る雑居房で、ただ一人じっと苦い顔をする高倉健。捨てた妹と母のために耐え忍ぶ。雪原を駆け抜ける脱走劇が楽しい。ネプリーグみたいな列車レース、運に身を任せた汽車作戦。…

「気儘時代」感想

気儘時代、みた。アステア×ロジャースの8作目。今回はアステアが精神科医!クラブでゴルフボール打ちながら踊ったり(珍しく屋外)、謎の催眠術ダンスがあったり、ロジャースが銃持って暴れ回ったり。意外にもスクリューボールな味わい。パーティ会場を縦横…

「ハッピー・デス・デイ 2U」感想

ハッピー・デス・デイ 2U、面白かった!こんどは恋人のルームメイト・ライアンがタイムループに巻き込まれ…。しかし今回も主人公のツリー大活躍。ライアンにブチギレまくるのがメチャクチャ可愛かった。彼女がどんどんタフになって最短攻略ルートを覚えてい…

「星屑の町」感想

星屑の町、みた。売れないムード歌謡グループと歌手を夢見る少女。「あまちゃん」の東北を舞台に、上京するもショウビズに翻弄された愛を演じる…なぜこの物語がのんの劇場復帰作に選ばれたのか?を考えてしまう。やはり彼女がスクリーンの中を動き回るだけで…

「劇場版 おいしい給食 Final Battle」感想

劇場版 おいしい給食 Final Battle、みた。ことしベスト級に好きな作品!給食マニアの教師・甘利田は、独自のアレンジで給食に挑む生徒・神野と日々給食バトルを繰り広げていたが…。ドラマ版未見。ふたりの水面下での戦いがバカバカしくて大爆笑なのだが、後…

「ハッピー・デス・デイ」感想

ハッピー・デス・デイ、メチャクチャ面白かった!女子大生のツリーは何者かに殺される誕生日を繰り返するタイムループにはまってしまい…。主人公がなかなか性格が悪いのだが、これだけ酷い目にあってると応援したくなるし、なんなら愛嬌を感じ始めるのが面白…

「もみの家」感想

もみの家、みた。心に不安を抱えた少女が農村の自立支援施設で成長していく様を描く。出会いと別れ、ひとの優しさに触れること、そして生命のサイクル。このテーマ設定の時点で自明ではあるが、思春期の鬱屈とした感情が〈田舎の美しい自然〉と〈ひとの温か…

「レ・ミゼラブル」感想

レ・ミゼラブル、みた。パリ郊外の犯罪多発地域の現実。縄張りを競うように〈市長〉やムスリム同胞団、BACたちが睨みをきかせ合う、この緊張感!たびたび一触即発の空気になるが、生きた心地がしない。みんなの諦めと怒りと憎しみがギリギリのバランスで保た…

「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」感想

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実、超絶大傑作!1969年の伝説の討論会を紐解く。左翼と右翼の両極によるスリリングな戦いは、意外な結末を迎える。三島由紀夫の懐の深さ、そして学生たちのギラギラとした目の輝き。たばこの煙が充満した講堂の〈熱情〉に…

「男はつらいよ 寅次郎と殿様」感想

男はつらいよ 寅次郎と殿様、みた。嵐寛寿郎の演技を初めてみた。これはまさしく〈殿様〉としか形容しようがない。面白いキャラクターだ。ここ数作の中ではマドンナの存在感が薄い。そして今回も振られかたが切ない(あんまり寅さん乗り気に見えないが…)。…

「恋はつづくよどこまでも」全話感想

恋はつづくよどこまでも、全話みた。佐藤健がカッコいい、上白石萌音が可愛い。それだけのことを愚直に追求してくれた。大感謝。地味にもねねんのファッションがバリエーション豊か。案外結ばれるのが早かったのが、ふたりのイチャイチャを見るのもまた楽し…

「踊ってミタ」感想

踊ってミタ、みた。過疎化の進む田舎町を盛り上げるために「踊ってみた」に取り組む様を描く。無気力青年の三田=岡山天音が最高。あのヘラヘラした諦め混じりの笑い方!サイドストーリーの整理も踊りの見せ方もどうかと思う密度の薄さだが、ひとが一生懸命…

「激突!」感想

激突!みた。ハイウェイで何気なく追い越したタンクローリーに粘着され続ける…。殺意を露わにする顔の見えないドライバー。その異常な執着心、どこまで逃げても付いてくる終わりのなさに震える。去年はあおり運転が話題になったし、運転経験があれば少なから…

「王国(あるいはその家について)」感想

「王国(あるいはその家について)」をみた。リハーサル風景を通してひとつの物語を多層的に編み出していく。物語の解体と再構築。イスに座り台本を読む演者の身体と声が、徐々に温度や湿度を帯びてくる。過去と現在、現実と虚構を行き来する中で、境界は分…

「私の少女」感想

私の少女、みた。とある事情で田舎に左遷された警察官と、虐待を放置されている少女の物語。全員顔見知りの集落、逃げ場のない海、暴力に支配された男…。苦しい、ひたすら苦しい。特に拒絶された時のドヒ…胸の奥がツンと痛んだ。この村にはだれの居場所もな…

「1500万メリット」/「ブラック・ミラー」S1-2 感想

ブラック・ミラー S1-2「1500万メリット」みた。娯楽と広告を五感に流し込まれ続ける管理社会。唯一の脱出方法はオーディション番組に出演することだったが…。〈消費する主体〉として生かされる世界で、人間は社会に消費されている。世界を壊そうとする衝動…

「国歌」/「ブラック・ミラー」S1-1 感想

ブラック・ミラー S1-E1「国歌」大傑作!公妃誘拐犯の要求は、首相が豚とセックスする映像の全国生中継。政府はあらゆる手段を尽くそうとするが…。下劣なモノを見たいという民衆の好奇心、モラルの崩壊した報道、悪意を可視化するインターネット…。先の読め…

「ランク社会」/「ブラック・ミラー」S3-1 感想

ブラック・ミラー S3-E1「ランク社会」みた。SNSのランクが飛行機の予約からアパートの契約まで全てを支配する世界。インスタ文化と信用スコア社会の行く先を強烈に皮肉る。もはやこれがSFと呼べない世界に自分たちは生きているんだよなあ。他人との比較で幸…

「ジュディ 虹の彼方に」感想

ジュディ 虹の彼方に、みた。ハリウッド黄金期の大スターの晩年を描く。結局、彼女の〈おうち〉はステージにしかないのだろうか。身も心もボロボロなのに、ひとたび観客の前に立てば強烈に輝いてしまう。その眩しさが、かえってグロテスクに映った。彼女は虚…

「男はつらいよ 寅次郎純情詩集」感想

男はつらいよ 寅次郎純情詩集、傑作!今回は京マチ子がマドンナ。無銭飲食騒動で大笑い。あいかわらず見栄っ張りな人だ。目の前の人を喜ばせたいって気持ちだけは本当だけど。「人間はなぜ死ぬんでしょうね?」の問いに対する寅さんの返しが滑稽で切ない。壇…

「劇場版ごん GON, THE LITTLE FOX」感想

劇場版ごん GON, THE LITTLE FOX、超絶大傑作!木彫り人形の手作りの質感がもたらす素朴な感情表現。そして、初秋のやわらかな陽射しに、やさしい月の光。飾り気のない自然の色彩は鮮やかだが、物悲しくもある。ゆえに思い遣りのすれ違う残酷さが強烈にえぐ…

「Fukushima 50」感想

Fukushima 50、みた。福島第1原発事故の裏側を描く。はじめ「これは面白いパニック映画だ」と見ていたが、現場職員が汚染された建屋に向かうあたりからふと「そういえば、これはつい9年前に起きた実際の出来事だったんだ」。〈英雄たちの物語〉として消費し…

「仮面病棟」感想

仮面病棟、良作!ピエロ姿のコンビニ強盗が人質を連れて病院に立てこもり…。強盗犯の真の狙いを探るミステリー。意外と捻りが効いていて面白い!坂口健太郎の誠実かつ落ち着いた雰囲気が速水にハマっていた。高嶋政伸の安定感、そして永野芽郁のするどい目つ…

「地上最大のショウ」感想

地上最大のショウ、傑作!サーカス団の悲喜こもごもを描く。テレビの画面で見るとスケールダウンの小ささは否めないが…中盤のとある事件から引き込まれる。スクリーンで見たら違っただろうか。セバスチャンの破天荒な登場に驚き、モッサリした三角関係に笑う…

「最高に素晴らしいこと」感想

最高に素晴らしいこと、みた。姉を交通事故で亡くしたバイオレットと精神的に不安定な〈変人〉セオドアの交感を描く。うーん、この手の作品はすこし食傷気味かもしれないなあ。過去にとらわれず生きること、そして大切なひとの恐怖や不安を取り除いてあげる…

「第三の男」感想

第三の男、みた。分割統治時代のウィーンを舞台に、真実を追い求めるホリーを描くフィルム・ノワール。オーソン・ウェルズ演じるハリーが強烈なインパクト!微妙に食い違う証言をたどりながら進む犯人探しパートの面白さ、そしてハリーの生存がわかってから…