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「義母と娘のブルース」第3話 感想:亜希子ママの「IF」

こんにちは。じゅぺです。

今回は「義母と娘のブルース」第3話について。

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第3話は、本格的に専業主婦になった亜希子がPTAに殴り込み!というお話。新入りママとしてママ社会の歪みに待ったをかけます。

運動会も目前に迫り、当日の仕事分担の話し合いで沈鬱なムードが流れるPTAの会議。つい先日までバリキャリだった亜希子は、権力者ママによるムダだらけの独裁体制に疑義を呈します。結果、亜希子と権力者ママのあいだに険悪がムードが流れ、その煽りを食らった娘のみゆきはクラスでハブられ気味。当然、娘は怒りますよね。あいかわらず「正論かもしれないけど、それじゃあ極端すぎるでしょ」みたいな解決策をゴリ押ししようとするママを、パパたちが必死に軌道修正することになります。毎度思うのですが、このズレっぷりでよく部長まで上り詰めたなという気がします。

極論で殴り合った末に運動会の雑務をぜんぶ一人でこなすことになった亜希子。やっぱり当日の運営は上手くいきません。さすがの彼女も仕事の多さにテンパり気味。しかし、そんな亜希子の姿を見て「助けたい」と思ったママたちもたくさんいました。いくらケンカ中とはいえ、子どもの大事な運動会です。それに、PTAのあり方にはみんな疑問を抱いていたので、彼女なりの努力に共鳴する部分は当然あったんですよね。亜希子のひたむきさがママたちを変えていく、みんなが力を合わせて運動会の成功に奔走するクライマックスは心温まります。なにより、組織の「あるある」な理不尽さに毅然とした態度で立ち向かい、ついには悪しき習慣をひっくり返してしまう、そんな亜希子のカッコよさに惚れるし、ふだん鬱憤をためている我々視聴者はスカッとするわけです。

しかし「義母と娘のブルース」が優しいのは、そんな「敵キャラ」だったPTAの権力ママを完全な悪者にしていないところなんです。たしかに外から見ると独裁者みたいに見える権力ママ、特にPTA会長ですが、彼女も彼女なりに学校のために力を尽くしてきた人でした。なによりかつては亜希子のように仕事をバリバリやっていたのです。似た者同士だったんですね、二人は。亜希子も運動会運営の大変さを実感するうちに、PTA会長に敬意を抱くようになり、最終的には和解。先輩ママと後輩ママの関係を築くようになります。亜希子も確実に成長しています。この対決、しばらく引っ張るかと思いきや第3話でスッキリまとまって少しビックリですが、このお手軽さがいいですね。見やすいです。伸びはじめた視聴率もそれを証明している気がします。

ただ、これまでの2話は亜希子とみゆきのやりとりが楽しかったので、亜希子メインの第3話はちょっと拍子抜け。もう二人普通に仲良くなってますもんね。彼らの本当の絆が試されるのは、来たるべき「パパの秘密」が明かされる時なのでしょうか。明るいトーンが気に入っているので、あまりシリアスに傾きすぎるのが怖いですが…。