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「健康で文化的な最低限度の生活」第2話 感想:「現場レベル」の問題に誠実に寄り添う

こんにちは。じゅぺです。

今回は「健康で文化的な最低限度の生活」第2話について。

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ところでこのドラマ、視聴率で苦戦しているようですね。生活保護受給者をテーマにしていて少々とっつきにくい印象を与えているのでしょうか。知名度と人気のわりにはドラマがピリッとしないイメージのある吉岡里帆です。

本題に入りますが、今回は「不正受給」の話でした。生活保護叩きによく使われるワードなので、この題材をどうニュートラルに料理するのか気になっていましたが、なるほどな内容でした。知らず知らずのうちに不正受給してしまっていた家族(しかも夢を追う高校生が音楽のために働いていたアルバイトのせいで)を描き、見ている人たちが受給者の気持ちになって切実に考えられるようになっていました。けっしてズルしてお金をかすめ取ろうとした人たちでないですよね。しかも、わかっていなくても不正受給である以上は生活が苦しくても返済しなければならないという制度の残酷な面に目を向け、現場レベルでの苦労にスポットライトを当てています。職員が「誰のための生活保護なんだ」という問いかけに対し、素直に「受給者のため」と返せないあたりに、彼らの立場の難しさがあります。胸を張ってそう言えないだけの矛盾を知っているんですよね。生活保護というと政治的なイシューで、「ニュースで見た」的な距離感になりそうなものですが、これは生身の血の通った人間たちが苦しんでいる、誰もが無関係ではいられない問題なのです。だからこそ、このドラマは「考え、感じながら見る」ことを期待している構成になっているのだと思います。

が、しかし、ドラマとして面白いかというと、微妙なところです。僕は第2話を見ていて若干興味を失いかけました。ちょっと冗長ですよね。お話も一本調子です。一応サブのストーリーラインとして自立した遠藤憲一のエピソードはありますが、退屈です。2つぐらいの事件が同時に動いてくれると、展開も早くなって飽きずに見られるのですが。

あと、今回のエピソードで印象的だったのが「飲食」の演出です。自立した元受給者がひさびさに自分で稼いだお金で飲むビールの美味しさ、映画見ながらのビールで息抜きをするえみるの愛おしさと切なさ、それから、回転寿司でもりもり食べてる先輩。「生きる」上で絶対に欠かせないのが食です。僕は人がご飯を食べているのを見る時、ときどき「ああ、この人は生きるために食べなきゃいけないんだなあ」と、なぜか切なくなるのですが、第3話の飲食描写はそんな僕の気持ちを刺激しました。それにしても、寿司を頬張る吉岡里帆、さすがにあざとすぎませんかね。僕は好きだからいいですけど。