映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「青春群像」感想:漫然と毎日を過ごす人たちへ

こんにちは。じゅぺです。

今回は「青春群像」について。

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「青春群像」はフェリーニ出世作になった青春映画です。地元で職もなくブラブラする5人の若者の日常を描きます。

僕はこの映画を特にやることもない日曜の昼下がりに寝転びながら見ていたわけですが、そのせいか非常に心に刺さってしまいました。とてつもない破壊力です。それはなぜか。やはり、5人の毎日を通して自分の人生について考えさせられてしまうからでしょう。

お気に入りのバーで酒を飲んだりビリヤードで遊んだりしては人生を浪費する5人の男。特別にやりたいことがあるわけでもないけど、平凡な毎日に悶々とした不安を抱えている。自由であるからこそその解放感が心地よく楽しい。その一方で、やることもなく過ごすのは退屈。贅沢でもあり、虚しくもある悩み。おそらく、彼らは「何のために生きているのか」という壁にぶち当たっているはずです。とりあえず明日飢えないように働いたして、その先に何があるのか。誰もがどこかでぶち当たる問題なのではないかと思います。

一見楽しそうだけど、こんな毎日続くわけないんですよね。いつか子どもから大人になって自分の人生に責任を持たなければならない日がやってくる。それが確実に迫っているものだとして、じゃあ自分は今すぐ動けるのか。漫然と日々を過ごしてしまうのではないか。そんなことを考えながら見ていると、たいへん味わい深い映画でした。また今度見返そうかなあ。とにかく傑作です。