映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「覚悟はいいかそこの女子。」感想:「恋」より先の「愛」を描く

こんにちは。じゅぺです。

今回は「覚悟はいいかそこの女子。」について。

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覚悟はいいかそこの女子。」は、同名タイトルの人気少女漫画を、中川大志唐田えりかを主演に迎え実写化した作品です。「観賞用男子」のヘタレ高校生が本気の恋に挑む姿を描きます。

唐田えりかのSっ気と制服姿を期待して見に行きました。完全に邪な動機です。しかし、期待に反して早々にデレモードに入ってしまい残念でした。正直、「寝ても覚めても」の朝子のほうが魅力的でしたね。物語的には本作のほうが気持ちが乗りやすそうなものですが。やはりそこは描かれているキャラクターの厚みの差が如実に出てしまっている気がします。それに、撮り方も凡庸であまり工夫を感じず、「高嶺の花」感は薄かったです。

というかキャラクターが全体的に紋切り型なんですよね。ちょっとひどいなあと思ったのが、DDDのメンバー。モブキャラの域を出ておらず、いてもいなくても変わらない、物語の都合上、テキトーに話をかき乱してくれる存在に過ぎませんでした。荒川良々のチンピラ役は明らかに浮いてましたが、彼のこういう配役も珍しいと思うので、ここはちょっと得した気分になりました。

ネガティブな感想が多めになってしまいましたが、気になる女の子に全く相手されない男の子を描く少女漫画原作映画って、意外と多くないですし、ここは面白い切り口だったと思います。「俺物語!!」とかはありますけど、「覚悟はいいかそこの女子」は、更に切り込んだ内容になっていましたね。好きだからあえて身を引く、好きな人の幸せのためにすべてを尽くす。貧乏な三輪さんが修学旅行に行けるように朝晩バイトしてお金を貯めるなんて、なかなかできることでありません。そこにはもう見返りを求める気持ちなんてなくて、悔しくても大好きな女の子の笑顔のために一生懸命頑張るというのは、もはや「恋」を通り越して「愛」なんですよね。そんな一途でプラトニックな努力が実り、三輪さんも斗和を受け入れていくというラストは、ほかの少女漫画原作映画とはちがった目線になっていて面白かったです。最後に唐田えりかのSキャラが復活していたのも良かった。まさかの「お前は犬だ」発言ですからね(ちなみにこの場面、さっきまでコートを羽織っていたはずの三輪さんがなぜかラストカットで制服のブレザーに戻っていて、めちゃくちゃ気になりました。撮影上のミスでしょうか?)。

しかし、もっときゅんきゅんしたかったぞ!というのが正直な感想ですね。こんどまた「ういらぶ。」やりますけど、さすがにこれはスルーかもなあと思っている次第です。