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「ノッティングヒルの恋人」感想:オレンジジュースから始まる恋

こんにちは。じゅぺです。

今回は「ノッティングヒルの恋人」について。

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ノッティングヒルの恋人」は、公開当時恋愛映画としては史上最高のオープニング興行収入を達成したロマンティックコメディです。主演はジュリア・ロバーツヒュー・グラント。当時のロマコメ界の頂点コンビですね。脚本は「ブリジット・ジョーンズの日記」や「ラブ・アクチュアリー」のリチャード・カーティス。名前を見ただけで大ヒットも納得できる黄金の組み合わせです。ジャンルの流行り廃りというのも当然ありますが、最近はこれだけパンチ力のあるロマコメを見ない気がします。

ストーリーは、ハリウッドの大スター・アンと、ハンサムだけどうだつの上がらない本屋の店長・ウィリアムが偶然の出会いから恋愛関係になってしまう、という内容です。オレンジジュースをぶちまけて恋が始まるなんて、いかにも「映画的」だけど、ジュリア・ロバーツヒュー・グラントだったら、なんとなく納得してしまう。この謎の説得力もまた「映画的」なのではないでしょうか。

型としては「ロミオとジュリエット」であり、「ローマの休日」の変奏と言えます。身分差の恋愛ですね。ハリウッドの有名人とロンドンの端っこに住む一般人。生活する環境も違えば、物事の見え方も違う。お互い強く惹かれ合うものを感じながら、どうやってそのギャップを飛び越えて幸せを掴むのか。アンとウィリアムは何度も困難にぶち当たります。アンはハリウッドスターとしてつねに周囲から好奇の目に晒され、一人で苦しみを抱え込むしかなかった。一方、ウィリアムは過去の経験から、恋愛で傷つくことにうんざりしていた。まったく正反対の世界に生きるからこそ、アンはウィリアムに癒され、ウィリアムはアンに惚れたのでしょうし、逆に、相手の価値観や感じ方に溝を感じて嫌になってしまうこともあるわけです。でも、どれだけ相手が有名なスターであろうと、バツイチのしがないおっさんであろうと、結局はひとりの生身の人間です。弱い存在なのです。これは映画の世界の出来事だけど、たぶんきっと誰にでも当てはまることだろうと思います。

自分の恥や弱さと向き合いながら、相手を理解し、おたがいかけがけのない存在であることを確かめあっていく。ラストはやはりハッピーな気持ちになれます。リチャード・カーティスの作品はどれも温かい気持ちになったまま映画を締めてくれるから好きです。そういえば、ウィリアムの友人や家族もみんなアクが強いけど優しくて素敵な人たちでした。綺麗なものを見たい気持ちのとき、また見返したいですね。