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さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「ワン・フロム・ザ・ハート」感想:コケた理由は…主演の地味さ?

こんにちは。じゅぺです。

今回は「ワン・フロム・ザ・ハート」について。

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「ワン・フロム・ザ・ハート」は、全盛期ハリウッド製ミュージカルのルネサンスとも言うべき、巨匠フランシス・フォード・コッポラによるミュージカル映画です。

いきなり直球で申し訳ありません…あまり面白くないです!大コケだったのも納得です。この手の黄金期ミュージカルの復活を目指した作品はこれまでもいくつか作られてきました。ウディ・アレン監督の「世界中がアイ・ラブ・ユー」は、嫌いではないけど、繰り返し見たいかと言われると微妙です。ウディ・アレンが一生懸命踊っていたシークエンスはよく覚えています。それ以外はあまり記憶にありません。デミアン・チャゼル監督の「ラ・ラ・ランド」は、現代的な感覚もミックスされ、素晴らしい出来でした。実際、過去の名作ミュージカルを見てしまうと、あまりのオマージュやパロディの多さに「デジャブ映画」という批判も頷けてしまうのですが、初見時の感動と興奮は覆せません。この二作と比べると、やはりパワーダウンしている印象です。

全編セット撮影の「作り物」感が、かえってラスベガスという街の虚しさと別々の道を進む男女の悲哀を強調していて、味わい深いとは思います。トレンディなメロドラマでありながら、大通りでの集団ダンスや廃車のコーラス(!?)が挟まれるカオスっぷりも、なかなか可笑しくて、「世界中がアイ・ラブ・ユー」よりかは印象に残るショットも多いです。

でも、画面が暗いのです。セットと衣装は豪華なのに、派手さがありません。そして、究極的なことを言ってしまえば、主演の二人が地味なんです。別に歌も踊りも突出して上手いとは思わないのですが、なぜこの二人なのでしょう。ミュージカル映画らしい華々しさを感じません。ぶっちゃけ、コケた理由の半分ぐらいは主演のキャスティングミスだと思ってます。

でも、あんまり嫌いにならない映画ですね。あの頃のミュージカル映画が大好きだってのはすごく伝わってくるから。愛が強すぎてダサい見た目になっちゃった映画はけっこう好きです。だから、いつかまた再評価される日があったら面白いのに、と思ったりもします。