映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「プロメア」感想(ツイッターより再掲)

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プロメア、みた。謎の人体発火現象により世界の半分が焼失した近未来。バーニッシュを巡る人類の危機を描く。超高密度のアクションと「見得」の連続にノックアウト。見せたい絵をガンガンぶつけてくる感じは好きだが、少々胃もたれ。マイノリティへの差別や「怒り」の抑圧と反動の爆発は現代的テーマ。

本編内でも「たまたま」という説明で開き直るように、お話の構成としてどうなのよという描写や展開はそこそこあって。アニメーションのテンポ感に話運びがついてこれてないから、スピード感のわりにモタモタした印象。やっぱりアニメーションは2時間近くあるとダレる。後半20分ぐらい削ってほしい。

ツイッター上ではわりと絶賛評も見かけるのだけど、俺はそこまでハマらず。オープニングで世界観の細かい描写もそこそこにハイテンションのバトルシーンが始まり、そこでノリきれないままズルズルと最後までいってしまった。あとキャラが記号的なのもな〜。俳優の演技頼みになっていると思った。

そう考えると、ナラティブとメタ的視点も含めたテーマが合致していた「スパイダーマン:スパイダーバース」は本当にすごかったなと。志というか、やりたいことはほぼ同じだと思う。日本のアニメが「スパイダーバース」をやるならまさしく「プロメア」的なテンションになるのだと思う。

「プロメア」で描かれるのは「怒り」の性質であると俺は捉えた。最近の映画だと「キャプテン・マーベル」に近いものがある。迷惑かけるんだから炎なんか出さずに大人しくしてろという多数派の言葉。そこにマイノリティの視点はない。アイデンティティの否定、怒りの抑圧。その感情をどう転換するか。

あなたの特質は時に誰かを傷つけ、時に誰かを守るのだということ。主人公ガロは徹底して「レスキュー隊員」である。バカだからこそ突っ走り続け、難局を打破できる。掴みからしてチームモノの作品になるかと思いきや、意外にもガロ中心の話だった。