「旅のおわり世界のはじまり」感想(ツイッターより再掲)
旅のおわり世界のはじまり、みた。超絶大傑作。舞台で歌をうたうという夢からはかけ離れたTVレポーターの仕事。あえて迷子になることを望むかのように、興味の赴くままに彷徨う様はまるで猫。前田敦子の危なっかしく頼りない佇まい!繊細さと力強さ、二つの顔を持つ彼女の声に魅了された。今年ベスト。
慣れない環境のストレス、迷子になってしまったと気づいた瞬間の焦り、何をしても思い通りにならない苛立ち、知らない言葉に囲まれる疎外感。世界にひとり取り残されたかのような孤独と異物感。すべて経験がある。本当は何がしたい?檻に閉じ込められたヤギに、気ままに歩き回る猫に自分を重ねる。
「愛の讃歌」に感動。心の居場所が定まらない。カメラを通して景色を捉えるように、ピントが被写体とぴったり合うその瞬間、山の向こうに「たくましく生きる自分」が見える。そうだ、私の世界はこれからなんだ。