映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「天が許し給うすべて」感想(ツイッターより再掲)

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天が許し給うすべて、みた。大傑作。郊外に住む未亡人ケリーは庭師の青年ロンと恋に落ちるが、二人の年の差を周囲の人は快く思わず…。「母として」気持ちを押さえ込んできたケリーが犠牲にしてしまったものに気づいた時の絶望たるや。結局、家族や友人に何を言われようと道を切り拓くのは自分なのだ。

まわりの人はいろいろ言ってくるけど、別にそのことで責任取ってくる訳じゃないんだよね。誰かのために自分を犠牲にすることも美しいけれど、必ずしも報われるとは限らない。周囲の環境や他人の目を、大切なことに向き合わない言い訳に使っちゃダメだ。自分で限界を設けてしまうことになるから。

この「年の差婚」のテーマ、意外とこの頃の作品では見ない印象。若い頃は娘として、結婚すれば妻や母親としての役割を求められ、いくつになっても自由になれない「女の苦しみ」は、成瀬巳喜男のテイストに近いかも?郊外に住むアッパーミドルの息苦しさは当時の主婦のリアルか。