「天気の子」感想(ツイッターより再掲)
天気の子、みた。雨が降り続く東京で出会った帆高と陽菜。居場所のないふたりにとって、この世界の運命は優しくないかもしれない。そんな世界なら、いっそ…。「君の名は。」の変奏であり、新海監督の新たな境地への冒険でもある作品。ビジュアルはパンチに欠け、音楽の使い方も前作に劣るのが残念。
「君の名は。」の残像が強くあるうちに、この映画を見るということには、いい面と悪い面がある。自分には類似点だけが目に入ってしまい、そこからどう飛躍したのか?に気持ちが向かなかった。なによりストーリーに乗り切れていない。要素の良さはありつつ、全体として「君の名は。」を超えなかった。
「君の名は。」を語り直すことで出てきてしまう歪みもあった。そこは二回目をみてじっくり考えたい。新海作品なのでヒロインが魅力的かどうかは大事だと思うが、森七菜演じる陽菜はとてもよかった。天気のようにいろいろな顔を見せてくれる。晴れの顔も、雨の顔も、みぞれの顔もある。
醍醐虎汰朗の演じる帆高も悪くはないが、「君の名は。」の滝くんは超えなかったかな(ここでもどうしても比較してしまう)。思ったより良かったのは本田翼。あのへにゃっとしたしゃべり方がアニメに馴染むのか心配だったが、むしろつかみどころのない独特のキャラを作り上げていた。
ただやっぱりビジュアルが弱い、というのは残念だった。なんとなくポスターの時点で嫌な予感はしていたが…。音楽は「グランドエスケープ」が文句なしに素晴らしい。予告編もよかったけど、本編はそれ以上にグッとくるかかり方。ここをピークに持ってくるのであれば前半〜中盤をもっとタイトに…。