映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「顔のない眼」感想

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顔のない眼、みた。事故による火傷で美貌を失った娘のため、父・ジェネシュ博士は若い女性を相次いで拉致し…。おぞましくも異様な美しさを放つクリスチーヌの白いマスクは本作の象徴。ドキッとさせられる直接的描写も多く、見応えあった。ラストの選択の開放感がよかった。

クリスチーヌの登場場面、マスクをつける前の彼女はベッドに伏しているので、事故後の顔は出さないのだろうと思っていた。しかしそれが前半の重要な場面で突然強烈に映し出される。そのほかにも顔の皮膚を切り取る手術、クライマックスのジェネシュ博士など、出し惜しみせずパンチの効いた絵を見せる。

想像よりもホラーでした。若い女性が標的になるのも、この手のジャンルのセオリー通りだと思う。ペドロ・アルモドバル監督の「私が、生きる肌」は本作の影響を受けているのだろうか。なんとなく、あの白いマスクにフェチズムを感じなくもない。