「イソップの思うツボ」感想
イソップの思うツボ、みた。女子大生のささやかな恋心から始まる、一筋縄ではいかないサスペンス。「カメ止め」の二匹目のドジョウを狙ったが…会話劇が鈍重かつ説明的でうまく機能せず、キャラの魅力を描くことに力を入れてほしかった。どうせなら最後までタランティーノっぽく振り切ってほしかった。
ギミックは面白い。どうしても「カメ止め」と比較されるであろう本作で、あえてあの展開を選択した意図がきになる。個人的にあの映画が良かったのは、どんでん返し云々よりもキャラクターの愛らしさ、「家族」へのまなざしだと思っている。作り手もそこは意識してたと思うけど、前作の方がうまかった。
井桁弘恵はとても良かった。笑顔の華やかさと毒っ気は松井愛莉を思い出す。石川瑠華はまだちょっと演技が不安定だけど、翳のある雰囲気は独特だと思うので、真魚的なブレイクを期待している。ストーリーの核心はネタバレになるので触れられないが、各キャラの掘り下げが甘いので中途半端な印象。