映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」感想

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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド、みた。60年代終わりのハリウッド、落ちこぼれの俳優とスタントマンの3日間を描く。思い通りいかずに暴れ、最高の演技に喜びを噛みしめるリック=ディカプリオが愛おしい。そしてシャロン・テートもこの時代を生きていた。紛れもない「お伽話」なのだ。

タランティーノ監督があの事件を描くという時点である程度クライマックスの展開は予想がついていた。だから(つまらない見方だけど)あまりそこでテンションが上がることはなく…。散漫なエピソードの集合体ながら、ひとつのゴールへと収束していく。怒りや悲しみを一気に発散する、非常に快感だった。

あのラストに多幸感を見いだす人が多いけど、俺はやるせなさや切なさの方が強かった。シャロン・テート殺害事件でうばわれたささやかな幸せ、明るい未来。彼女の生きた証はスクリーンの中で輝き、あり得たかもしれない明日はこの映画の世界で続いていく。とても寂しい。「映画」の意味を考えてしまう。