映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「女は女である」感想

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女は女である、傑作!突然「妊娠したい」と思い立ったアンジェラ、だったら他の男を探せと突っぱねるエミール。〈やり込めようとする男〉と〈被害者ぶる女〉。粗っぽくもテンポよく進む映像は、ファッション雑誌のページをめくっているみたい。最初から最後まで〈これは映画なんだぜ〉って笑ってる。

冒頭に誇らしげにベルリン国際映画祭での受賞を示し、最後はカーテンに浮かぶ〈Fin〉で締める。アンジェラがしゃべりだすと音楽が止まる。さっきまでケンカしてた二人が、次のカットでは優しくキスを交わしている。面白い。タバコふかしながら語る与太話、階段での駆け引き、男二人のヒソヒソ話。

会話内容はあまり繋がりが見えなかったり、字幕では追えても中身がスッと入ってこなかったりするのだけど。男と女の行ったきり来たり、惰性で続ける綱引きみたいな口論に、めんどくせえこいつら、となる。だってどうせ最後はくっつくんでしょ?彼らは映画のオチを知ってて映画の中で生きてる気がする。

元サヤに収まるのを期待しながら、ソフトランディングできるように、お互いの腹のなかを探り合っている。そういう風に見える。だからめんどくさい。いや、彼らはそれでも真剣で、本当にいがみ合っているのだろうか。俺にはよくわかりません。でも、めんどくさいってことだけはわかる。