「アナと雪の女王2」感想
アナと雪の女王2、みた。エルサは謎の歌声に導かれ、アナたちと共に閉ざされし森に足を踏み入れる。正直もうアニメーションの発展で感動することはないと思っていたけど、これは凄まじい。テーマは前作の反復ながら、アナとエルサが〈どんな選択をするか〉に焦点を絞ったのも続編ならでは。期待以上!
音楽は「ありのままで」のようなキャッチーさがなく拍子抜けだが、より物語と映像になじむものになっていたと思う。姉妹はエルサの力ゆえに何度も引き離される。お互いを想い、信じているから、相手を突き放しては抱きしめ、また突き放し…を繰り返すのである。姉妹だからこそ距離を測りかねる哀しさ。
「イントゥ・ジ・アンノウン」の別次元に飛ばされたかのような強烈な映像にガツンとやられた。松たか子の解放的な伸びる声がすばらしい。「宮本から君へ」のエンディング「Do you remember?」じゃないけど、思わずいっしょに叫んで走りたくなった。本当は彼女にはずっと進むべき道は見えてたんですね。
周囲から期待されていることや評価、自分の自分に対する認識、そして心のうちに秘めた本当にやりたいこと。ぜんぶ違うし少しずつズレている。おそらく人はそのギャップに苦しみ続けるのだ。エルサは己の強大な力を、両親の命を奪った憎きものとして恨み続けている。アナはそんな彼女を心配し支える。
エルサの力の源と、アレンデールの過去をたどる中で、エルサは一気に力を駆使し、アナは地道にひとつずつ積み上げて、困難を突破していく。それぞれの選択の末にある未来。結果から言えば予定調和なのだが、その過程が美しい。〈あなたにはまだ自分に見えていない未来がある 〉という話として捉えた。
そうそう、照れ隠しか知らないけど、前作への言及にちょくちょくトゲがあったのが面白かった。ディズニー作品で直接のシリーズ作にああいうメタ的な自己言及するのって珍しいのでは?