映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「波高」感想

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波高、みた。過疎の進む島で身体を売る少女と、彼女を取り巻く村民を描く。全員が親戚か兄弟の閉鎖的な空間で、男社会の醜い欲望と抑圧が、女を苦しめる。淡々と描かれる狂気と倫理観の破綻に目新しさはなく、エンジンかかるのも遅すぎるのだが、その分ラスト15分は見応えあり。

ロカルノ映画祭で審査員特別賞とのふれこみだったので楽しみにしていたのだけれど、それなりに拍子抜け。終始画面が暗くて見にくい。故に後光の差す朝の浜辺の場面は解放的で美しいのだが、それを補って余りある効果は発揮していない。あと主人公?の警察官・ヨンスの輪郭がハッキリしないんだよね。

オヤジたちが内々で処理して逃げ切ろうとする卑怯さや、モノのように扱われることに慣れきってしまう女の虚無は、すでにこれを扱った良質な韓国映画が多数存在しているので「波高」の強度だとかすんでしまうと思う。もっとサスペンスフルで過激な映画を知る身としては、やはり物足りなく感じる。

イノシシが村を荒らす。隣の村の老婆を殺したという。村の男たちは、何としてもイノシシを狩らねばならんと息巻く。外では呑気に愛をうたう歌が流れている。一方、山の中では二人の少女が凍えているのだ。シチュエーションとしてはバツグンに〈嫌〉なのだけど、あんまりピリッと来なかったです。