「マルタの鷹」感想
マルタの鷹、みた。大傑作!黄金の鷹の像をめぐる争いに私立探偵スペードが挑む。これぞハードボイルドな佇まいのハンフリー・ボガート。些細なことには動じず、困難な場面でも己の美学を貫く。相棒を許した悪党はたとえ惚れた女でも許さない!とばかりにブリジットを問い詰めるクライマックスは最高。
主人公のスペードを含め、登場人物はどいつもこいつも胡散臭い。だれもがウソをついていて、本震を表に出さないのである。効率良すぎるぐらい、無駄がひとつもないシャープな演出にのせられて、だれが何を考えているのか?を考える時間もないまま、最後の結末にたどり着く。