映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「1917 命をかけた伝令」感想

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1917 命をかけた伝令、みた。撤退命令を伝えるべく敵地を駆け抜けていく兵士の姿を描く。まるでTPSのプレイ動画を見ているような映像体験!汗と泥にまみれた塹壕の中を走り、死体だらけの無人地帯を這い進む。この世の地獄だ。映画が臭いを伝達できないメディアで良かったと心底思った。映画館で必見!

塹壕に掛けられた看板、道中のアイテム、プレイ中に発生する強制イベントなような会話劇。多くの人が指摘するように非常にゲーム的であると思う。完全にオープンワールド。映像的快楽より、みずから操作する没入感の興奮が勝る。しかし、後半はタルコフスキー的な幻想的シチュエーションも。

スコフィールド上等兵を演じるジョージ・マッケイの顔つきのいい意味での凡庸さ。英雄然としすぎない、ある意味では主人公らしさの薄い、スクリーンに映える無個性さ。ノーマルパーツを組み合わせて作ったプレイヤーキャラの顔みたいって表現したら、さすがにゲーム解釈に寄せすぎ?

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わりかし淡々と進むのかな〜と思いきや、意外にもドラマチックな出会いと別れ、緊張感あふれる「メタルギア・ソリッド」的なスニーキングミッションなど、見どころも多い。タイプとしては「サウルの息子」に近いかもしれない。

ただ、これも多くの人が指摘するようにコントロールの上手さが受け手にわかっちゃうのは、どうなのかなあと思う。マジック見ながらタネ探しするのは楽しくない。試みとしてはすごく面白いし、2回目はないネタだと思うので、映画館で一度は見ておきたい作品ではある。