「第三の男」感想

第三の男、みた。分割統治時代のウィーンを舞台に、真実を追い求めるホリーを描くフィルム・ノワール。オーソン・ウェルズ演じるハリーが強烈なインパクト！微妙に食い違う証言をたどりながら進む犯人探しパートの面白さ、そしてハリーの生存がわかってからのひねりの効いた展開。いやあ、面白かった！

並木道のラストカット。バカなことはやめとけと言われながらも振り返ってくれることを期待するホリー。その愚かなまっすぐさに、ちょっと共感してしまうのである。まだ相手が自分のこと好きなんじゃないか。その都合の良さ。いくらカッコよく真実を追い求めても、思い通りにならないものもある。

Amazonプライムのクソ画質で見たので映像の美しさは味わいきれず。ちゃんとしたバージョンで見ればよかったかも。ウィーンは旅行したことあるので景色に期待してたけど、そういえばこの頃のハリウッド映画ってほとんどスタジオ撮影でしたね。観覧車のプラーター公園は郊外だし。旧市街は懐かしかった。

最初はイケ好かなかった少佐と徐々に協力関係になっていく。「ごめん俺が悪かった」「いや、こちらこそすまなかった」のやりとり。素直に謝れるのは気持ちいいですね。こういう関係性の変化が実は結構好きだったりする。逆に友だったはずのハリーが敵になるわけで。この逆転、ツイストは興味深い。