映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「踊ってミタ」感想

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踊ってミタ、みた。過疎化の進む田舎町を盛り上げるために「踊ってみた」に取り組む様を描く。無気力青年の三田=岡山天音が最高。あのヘラヘラした諦め混じりの笑い方!サイドストーリーの整理も踊りの見せ方もどうかと思う密度の薄さだが、ひとが一生懸命踊ってるのを見て元気にならないはずがない!

武田玲奈がメガネをかけた地味キャラ=真鍋を演じている。これがメチャクチャ良い。なにより、彼女の目が好きだ。呆れつつも三田くんを見守る時の冷静なまなざし。練習からの帰り道、夕日を背に浴びて三田くんを見つめる寂しそうな目。そして、ステージの上で三田くんにかけられた言葉に輝く大きな瞳!

これからもっとたくさんの作品に出ると思うけど、どちらかというと映画のスクリーンで見たいかも。元アイドルの古泉を演じた加藤小夏は、この作品で初めて知ったけど、彼女もブレイクしそう(と思ってたら「スカッとジャパン」で話題になってたらしいですね)。あと踊りが上手い。

あと踊れるヤンキー役の横田真悠はモデルだけど、女優業にも進出してくるのだろうか。意外にもクソ広告マン役のゆってぃがそこそこハマってた。だけど、会話の間とか、弛緩した編集のテンポが体に合わなくてムズムズしてしまった。演出が好みじゃない。ダンスの場面も見たいところを見せてくれない。

引きたい時に寄りで、みんなが踊るステージを見渡したい時にアップでしつこく撮り続ける。なにしたいの?って思ってしまった。ライブハウスの陰気な感じより、エンディングの自然光を浴びながら踊る武田玲奈と加藤小夏の方がよっぽど美しい(なんならこの映画で一番の見どころ)なのもどうなのか…。

90分の尺で三田と真鍋の青春にフォーカスしたらもっと面白くなったんじゃない?と思ってしまった。青春群像劇として好きになれそうなところはたくさんあっただけに。あと10回ぐらい輪廻転生したら傑作になると思う。