「レ・ミゼラブル」感想
レ・ミゼラブル、みた。パリ郊外の犯罪多発地域の現実。縄張りを競うように〈市長〉やムスリム同胞団、BACたちが睨みをきかせ合う、この緊張感!たびたび一触即発の空気になるが、生きた心地がしない。みんなの諦めと怒りと憎しみがギリギリのバランスで保たれている危うさ。とても疲れた…。
正直、誰にも気持ちを重ねることはできなかった。あんな世界で生きていける気がしないけど、たしかに実在するわけですよね。相互不理解がここまで深刻に進んでいるのかと。脅しと暴力がいちばんコストのかからないコミュニケーション手段になってしまっている。
このまま無関心と妥協で突き進んだら、その先は地獄だ。そう簡単に他人の優しさを信じられない世界になっている。だれも耳傾けてくれないんだったら、大人しくいる必要なんてないじゃんと。「ホントはダメそうだけど、とりあえず今はなんとかなってるよね」という認識にNOを突きつけてくる。