映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「塔の上のラプンツェル」感想

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塔の上のラプンツェル、面白かった!なるほど本作がこの後のディズニープリンセスを方向付けたのか。プリンセスが共にうたい踊るのは森の小鳥やウサギではなく、コワモテで手足の欠損した汗臭い男たち。そして彼女は無力感を煽り扉を塞ぐ毒親を捨てて、外の世界を冒険する。ああ、楽しかった〜。

〈箱入り娘のプリンセス〉とユージーンの掛け合いが楽しい。若干セルフパロディ寄りの笑いは「魔法にかけられて」を思い出す。しかしユージーンが彼女の純粋無垢さや髪の毛の魔法に対するリアクションは優しい。白雪姫、ミッション:インポッシブルブレードランナー…など他作品のパロディも多め。

毒親とはああやって手足を縛り子どもを支配下に置こうとするのだなと。自分の親はそうではなかったけど、たぶんリアルにそうなのだろうと納得させる迫力があった。だからこそラプンツェルを応援したくなるし、彼女の解放が心に響くのだ。彼女は若さや美しさの象徴としての長髪を捨て、自由になる。

今きしっぺさんのツイート見てなるほどと思ったけど、たしかに「シュレック」っぽい。ヴィランが意地悪な婆さんという枠組みはクラシカルだが、これは「アナ雪」で破壊されることになる。

ラプンツェルが自由と引き換えにユージーンを助けようとするが、本人に拒絶される。美しくも忌々しい長髪を切るのは、ラプンツェル本人ではなく、ユージーンだ。お互いが相手の自己犠牲を否定した結果の話なのだけど、誰の助けも要らない!と自ら断髪するプリンセスがエルサなのかなと思ったりする。