映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「僕らの先にある道」感想

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僕らの先にある道、みた。別れた男女の〈その先〉を描く。北京に上京してきた二人。夢を追いながら貧乏生活を楽しんでいたが、やがてすれ違うようになり…。ちと感傷的過ぎるし甘ったるいなあと思うところはあったけど、エンドロールの演出が不意打ちでグッと来てしまった。人生思い通りにいかぬもの。

「あなたがいない世界」には色がない。ああ、後悔してるのはそっちだったのか。思い描いていた未来ではなかった。一見華やかな世界で成功していても、田舎に残して死に別れてしまった父、大切にしてあげられたなかった彼女。思い出すとずきっと痛む心の古傷は誰にでもある。だから「俺だけじゃない」と気づかせてくれるあのエンドロールが好きなのだ。

田舎のお父さんの視点がじつはいちばん愛に溢れているのではないか、と。二人はまだ子どもだった。このまま今日と同じ明日がやってくると漫然と生きてきた。いや、違うと。時間の不可逆性に気付いたとき、彼らは大人になった。中国の戸籍制度が背景にあり、なかなか興味深い話になっている。