「チャイニーズ・ブッキーを殺した男」感想
チャイニーズ・ブッキーを殺した男、みた。ナイトクラブの主人がギャンブルで借金をこさえ、仕方なく殺しを引き受けるが…。自分もその場に立ち会っているかのような手持ちカメラの臨場感。物事はめまぐるしく動くが時間の流れはゆったりとしている。これといった引力はないが…最後のコズモの表情!
3本目のカサヴェテス作品。相変わらずピタッとはハマらない、心地よくない。時間の感覚が自分と少しちがう。最近のタランティーノの映画みたいだ。殺しに向かう道中でもショーの様子を気にかけたコズモが、敵に追われて重傷を負って自らの運命を悟りつつも舞台袖から満足そうにショーを眺める。
この最後のコズモはカッコよかった。俺はこの城の主人であり、王なのだと。その優越感と誇らしい気持ち。自らの死を知りながら悪くはないと表情を浮かべる。ロマンがあると思った。