「Living」第1話/第2話 感想
Living 第1話/第2話、面白かった。絶滅寸前のネアンデルタール人姉妹(広瀬姉妹)とコロッケを作る戦争が当たり前の〈令和のあとの時代〉の兄弟(永山兄弟)の話。きょうだいのゆるっとした距離感が良い。モキュメンタリー的であるがゆえにこの並行世界に隠された刃の鋭さにドキッとしてしまった。
GW放送の「今だから新作ドラマ作ってみました」はパイロット的位置付けだったのかもしれない。今回はより進化。カメラの位置も工夫が凝らされていて見応えあった。特に第2話の主観カメラ!その距離の近さと妙な画質の荒さが「戦場で会ったら俺のこと殺す?」のやり取りの緊張感を高める。
絵面だけ切り取ると現実のふたりも日常的に交わしていそうなゆるいやり取り。しかしその裏にはホモ・サピエンス/ネアンデルタール人の対立と、インターネットがなくなった後、勝手に国境を引かれた不安定な未来が描かれている。原始時代の記憶と〈この世の締め切り〉。人類の初めと終わり。
安直にコロナと絡めずに、それでいていまを切り取るドラマになっているのがさすがだと思った。作家=阿部サダヲとどんぐり=壇蜜の会話は脚本家=坂元裕二の頭の中をのぞいているようだった。来週の後半も楽しみ。