映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語」感想

f:id:StarSpangledMan:20200613201726j:image

ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語、みた。しっかり者の長女メグに、活発で信念を曲げない次女ジョー、内気で優しい三女ベス、そして甘えん坊の末っ子エイミー。女が一人で生きられなかった時代のシスターフッド。セッションともいうべき4姉妹の掛け合いがすべて!とても素晴らしかった。

原作の「若草物語」は未読のためグレタ・ガーウィグがどのように手を加えたのか比較することはできないのだけど…夢追い人のジョーは「フランシス・ハ」や「レディ・バード」の主人公の姿に重なる。そして女子4人が集まった時のワチャワチャ感!とにかくみんな聞いてほしいことを喋りまくる。

俺の母親が3姉妹なんだけど、親戚のイベントで全員集合すると途轍もないカオスが生まれる笑 マーチ家のそれと全く同じなんですよ。だからエマ・ワトソンシアーシャ・ローナン、エリザ・スカンレン、フローレンス・ピューの組み合い(あえてこう表現したい)はものすごくリアルだと思う。

次女のジョーがワーワー騒ぎ、長女のメグが俯瞰しつつもそれに同調し、末っ子のエイミーが嫉妬まじりに突っ掛かる。そんで三女のベスは抱えたぬいぐるみをいじりながら母親の横で微笑んでる笑 この空間を作り出した時点でグレタ・ガーウィグ監督の勝ちだと思う。大人になってからの変化も素晴らしい。

メチャクチャうまいなあと思うのがティモシー・シャラメの使い方。女子集団にひとり溶け込んで一緒にワチャワチャやってる男子って絶対クラスにいたと思うんですよ。ティモシー・シャラメってそういうズルい奴なんです…というのは冗談にしてもこの気さくな割に腹の中がわからないキャラがうますぎる!

f:id:StarSpangledMan:20200613201723j:image

赤を基調とした過去パートに対し、淡い青色の現在パート。ビビッドな色彩の使い分けによって、幸せいっぱいの少女時代と、苦悩だらけの大人のいまの差異が強調される。そして、左方向への運動と右方向への運動。自立を許されない時代の女がどう自由と幸せを掴んでいくのか。そこに彩りはあるのか。