「サンダーロード」感想
サンダーロード、みた。母を喪い神経衰弱の男が、家族に仕事に災難に巻き込まれていく。葬式で「涙のサンダーロード」を流そうとするがラジカセが壊れてうまくいかない、踊りもおどれない。この映画は終始そんな感じだ。不安を埋めるかのようにまくし立てるジム。笑いとシリアスのバランスが絶妙。
ジムのキャラが強いのはいいんだけど、ちょっとしつこい。最初から最後まで同じ調子、似たようなリアクション。冒頭の泣き芸は良かったけど、何度もやられるとねえ。空気読めなくて葬式のあいさつで喋りすぎたり、上司の前で怒りを制御できなかったり。彼自身は変わらない、変われない。
むしろ彼のまわりが目まぐるしく変化していく。最愛の母があの世に旅立つ、妻に三行半を突きつけられる、娘が学校で…。ヘラヘラ笑ってたらいきなりシリアスな場面(刃物の男が暴れるレストランに出動する…など)がはじまったり、コメディとサスペンスの落差が面白い。