「ディア・ハンター」感想
ディア・ハンター、傑作!これ見ると「命さえあればいいことあるさ」なんて軽々しくは言えないなあと思ってしまう。戦争は人を変える。大好きだった鹿狩りも、仲の良かった友人たちとの会話も、もはやベトナムへ行く前とでは全然違う。賭場のニック=クリストファー・ウォーケンの目が忘れられない…。
冒頭1時間近く結婚式の場面なので「これベトナム行くんだよね?」と思ったけど、ここのタメが大事だった。平和なアメリカの田舎からいきなり爆撃、地下壕で焼き殺される女性、捕虜にロシアンルーレットをさせて喜ぶベトコン。この世の地獄だ。マイケルが仕掛けた一か八かの勝負の緊張感!吐きそう。
ヘリコプターで救助するくだり、デニーロたちがしっかり生身でぶら下がってるけど、これ、どうやって撮ったんだろうね?ベトナムの場面はクライマックスも含めて生きた心地がしなかった。賭場の対峙はなあ。なんとなく結末が読めるだけに虚しい。最後の乾杯に「誰がこの戦争で幸せになった?」と。