映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「思い、思われ、ふり、ふられ」感想

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思い、思われ、ふり、ふられをみた。4人の高校生が秘密や恋心を抱きながら交錯する群像劇なのだが、余白をセリフと回想で埋めるし、それぞれの問題はぶつ切りで解決されるから、とっても長く感じた。いちど早く終われモードに入るとその作品を好きになるのは難しい…エンディングの髭男はよかった。

原作が「ストロボ・エッジ」や「アオハライド」の咲坂伊緒なのだが、どちらも実写化作品はニガテだったので、そもそもこの人の作品にハマらないのかもしれない。俺はもうこの手の映画のお客さんではないのかもと思った。親との関係が云々の話に今更入り込めない。少女マンガ原作ならコメディだな〜。

カッコつけて悩んでないでお前の好きなようにやれよと思っちゃう時点でダメなんでしょうね。三木孝浩監督の職人芸は安定。文化祭のカーテンの演出やラストカットはうまいことマンガらしさを実写に落とし込んでいて、ちょっぴり切ないながらも爽やかな空気が流れていた。

が、せっかく神戸で撮ってるなら地域性を出してもよかったのでは?と(原作が違うならダメか)。北村匠海はあいかわらず色気があるし、福本莉子も最初と最後でぜんぜん表情が違うからすごい。浜辺美波は圧倒的ビジュアルで絵を持たせることはできるけど、あんまり面白みがないと思った。

役柄上仕方がないのだが、感情があまり表に出てこない。つねにガマンしている。だからか普通の絡みは退屈なのだ。浜辺美波の登場シーンで映えるのは、やっぱり夏祭りの浴衣を着た照れ臭そうな表情だったり、屋上でカメラを向けられた時の真っ直ぐな眼差しだったりする。

センセイ君主」や「屍人荘の殺人」、それから「賭ケグルイ」のようにコメディに振り切って変顔したほうが面白いし可愛い。なんでかんでも表情筋動かせばいいというものでもなく、抑えた演技で味を出せる俳優をもいるけど、少なくとも浜辺美波はそうじゃないのでは?(求めてない)と個人的には思う。

Official髭男dismは、俺の中で宇多田ヒカルに並ぶ「とりあえずエンディングで流れればいい映画見た感が出る」アーティストになりつつあります。感想おしまい。