「行き止まりの世界に生まれて」感想

行き止まりの世界に生まれて、みた。ラストベルトで生まれ育った3人の若者を追うドキュメンタリー。想像以上にパーソナルでホームビデオのような手触りの映画。俺自身は監督のように友だち目線までは同化できず…。アメリカの現実をスケッチした映画と評されるが、このどん詰まり感は世界共通だろう。

もっと「ラストベルトの現実」を見られるものと期待したから、こんなものかという拍子抜け感はあったのだが。個人的な出来事の羅列に留まっており、普遍性に乏しいとも言える（そういう意味で「ホームビデオ」と表現した）。思い出したようにまとめにかかる終盤でやっと見たいものが見れた…と思った。

監督自身が「個人の想いを込めた」と語る通り（他の大人のチェックはたくさん通っているはずだが）3人の人物に対する目線が非常に〈近い〉と思う。正直、俺は彼らの友だちではないし、思い出もそんなにないから入り込めないな〜というモヤりは拭えなかった。最後のシークエンスは良かったけどね。