映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ」感想

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ラストブラックマン・イン・サンフランシスコ、みた。眠すぎて前半は意識が飛んでたが、サンフランシスコの街並み、日差し、時代に取り残されても力強く生きる人びとの顔が印象的な映画だった。一応物語の中心はジミーだけど、本当の意味での主人公は変わりゆくサンフランシスコの街なのかなとも思う。

上半期映画を振り返るnoteでも書いたけど、「わたしは光をにぎっている」や「転がるビー玉」のように、より〈豊かに〉変化する街と失われていくその土地の記憶というテーマは、最近よく見るテーマではある。いかに街を魅力的に撮るか?という点で本作は優れていた。

地価と家賃が高騰しすぎて富裕層以外住めなくなる都市なんて、東京ですらないので、あんまり日本人の自分としてはピンとこない部分もある。すごくアメリカ的な映画なのではないか。「土地」にまつわる映画は好きだけど、イマイチ琴線に触れなかったのは事実。

映像の質感は「ムーンライト」を思い出した。黒人の肌の美しさを最大限に引き出すために、黒人を基準に映像のトーンを組み立てているのではないか。オープニングは特に引き込まれる。映画の顔であるビクトリアン様式のお屋敷も魅力的。たしかにあれを手放すのは惜しいと誰もが共感できる素晴らしさ。