「地球最後の男」感想

地球最後の男、みた。これ、原作は「アイ・アム・レジェンド」なんですね。見ている途中で気づいた。アメリカの片田舎にしては時折映る広場の階段やタワーが洗練されていて、不思議な近未来感があると思っていたら、ローマで撮影されたと聞いて納得。例の「価値観の逆転」がやはり面白かった。

となるとなぜウィル・スミス主演の「アイ・アム・レジェンド」はあのオチにしたのか理解に苦しむ。冒頭の「ひとりぼっち生活」の描写が妙にリアル。この手のサバイバルモノで無視されがちな「発電」もきちんと触れられる。ウイルスの蔓延で崩壊する日常に既視感。もはやその点はフィクションではない。

モノクロのビビッドな色彩がとても心地よく、背景の雰囲気も相まって、ハリウッド映画というよりは「甘い生活」や「アルファヴィル」を見ているようだった…と言ったら褒めすぎかな。まあ、そこまで強烈なショットがあるわけでもなく、明らかに低予算だなと感じる（特に終盤はショボい）場面も多いが。