映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「潔白」感想

f:id:StarSpangledMan:20210223202105j:image

潔白、みた。未体験ゾーンの映画たち2021にて。農薬殺人事件の嫌疑をかけられた母の潔白を証明するため、弁護士のジョンインは帰郷するが…。緻密な法廷劇を期待していたので、ちょっと肩透かしを食らった。韓国映画はこの手のテーマでエモーションに振り切り過ぎというか、味付けが濃いというか…。

主演のシン・ヘソンは韓国のドラマ女王らしい(ガッキーや石原さとみ的な?)が、とても綺麗な女優さんだ。エリート弁護士の役もハマってた。あと悪徳市長役のホ・ジュノ。「名もなき野良犬の輪舞」でも憎たらしい役をやっていた。こういう存在感の俳優、日本に少ないよなあ。

例のごとく検察と政治家の癒着や、汚職事件がこの裁判にも関わってくるわけですが、正直、悪者サイドのやり方が少々ガサツなのだ。妨害もかなり場当たり的だし、お世辞にも頭がいいとは言えず、ジョンインが切れ者という設定を生かし切れていない。あくまでメインはジョンインと母の親子関係である。

個人的には終盤やっとそこら辺の歯車がかみ合うのだけど、それもっと早くやってよと。音楽のかかるタイミング、回想シーンの使い方など、編集のスタイルはあまり好みではないなと。通常配給ではなく、特別上映での日本輸入になったのもなんとなく納得。つまらなくはないんだけど、新しくもないんだよ。

韓国映画において「田舎にやってきた女性の受難劇」は、わりと頻繁に見かけるテーマだなと思う。ざっと思いつくだけでもペ・ドゥナ主演の「私の少女」や「波高」、去年公開の「ブリング・ミー・ホーム」など。逆に邦画だと最近見ないなあ。状況たいして変わらないと思うんだけど。