「シンクロニック」感想
シンクロニック、みた。未体験ゾーンの映画たち2021にて。救急隊員のスティーブとデニスは、連続する奇妙な事件をたどるうちに謎のドラッグ・シンクロニックにたどり着く…。小品ながら見応えあるタイムリープSF。全体に漂う不穏な空気がたまらない。金ローで掘り当てたらガッツポーズ!みたいな作品。
アンソニー・マッキーはスターだなあと、スクリーンを眺めながら惚れ惚れとしてしまった。個人的には半分ぐらいは彼の佇まいのスマートさ(とプレイボーイの設定も納得のセクシーさ)によって成り立っていると思う。親友でありバディのデニス=スティーブ・ドーナンの娘との関係性も良い。
ただ、タイムスリップする先でことごとくマンモスが暴れたり、武器持った野蛮人が命を狙ってきたり…あまりに都合良すぎる設定はどうなのかしら。コントすれすれなのではと。サントラや映像の質感は「ボーダーライン」のような本格スリラーの雰囲気だっただけに、その粗さが浮いてミスマッチだった。
何度も実験を繰り返してルールを学習していく件や、クライマックスの「救出」パートは臨場感があった。正直、最後の方の展開は読めていたが、それでもドキドキさせられたもん。ルックのスマートさに反してギャグみたいな設定出す雑さが好きになれないが、掴みのオカルト感も独特で全体的には良かった。