「ビバリウム」感想
ビバリウム、みた。新居を探しに内見に来たはずが、郊外の住宅地に閉じ込められ…。いつまで経っても家と子どもに縛られて「解放」されない様は、ローン地獄と終わりなき子育ての比喩か。冒頭に流れるのはカッコウの「托卵」。アイデアは悪くないけど、話のスケール的に短編向きだろう。間延びしてる。
正直、今更このテーマでやって斬新かというと…?結局「子ども」に情が湧いて寄り添おうとするジェマと、得体の知れないバケモノとして退け、ひたすら穴掘りに勤しむトムの対比が面白い。限界まで追い込まれたとき、人は何にすがるかの考察にもなっている。しかし、ここもダラダラやる話か?と。
作品そこそこの時間が経過するが、わざわざ丁寧に描く必要ないと思う。さらっとカットした方がショックは大きいんじゃないかな。ふたりと観客の心情をシンクロさせたくてあえてスローテンポだったのかもしれないが、個人的にはなんとなくオチも察しがついてたので、はやくネタバラシしてよと。
ワンアイデアを貫き、「世にも奇妙な物語」的な面白さを目指すなら、60分ぐらいで終わって欲しかった。世界観は好きだったし。逆に2時間弱の長編にするなら、やっぱり中盤にもうひとつ展開がほしい。いくらこの映画好きになっても、二回目をみようとは思わないんじゃないかなあ。そこに尽きる。