映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「ローズマリーの赤ちゃん」感想

f:id:StarSpangledMan:20210404164110j:image

ローズマリーの赤ちゃん、みた。いやぁ〜、面白かった!これまでみたホラー映画でいちばん好きかも。奇妙な悪夢をきっかけに妊娠したローズマリー。相次いで身に降りかかる不幸に、彼女は隣人を疑うが…。直接的な描写はないのに本当に怖い。果たして彼らは悪魔教徒か、それともただのパラノイアか。

ミア・ファローの病的なまでに痩せ細った身体と、不安定な演技がとってもよかったです。その言動に狂気が滲むからこそ、妊娠から来るノイローゼなのか、それとも本当に住人たちが悪魔崇拝者なのかがボヤける。サスペンスフルだ。ジョン・カサヴェテスの無神経夫っぷりもいい。全然人の話聞かねえし笑

そういえば去年公開されたリメイク版「透明人間」は、この映画を元ネタにしていたのだなと。最後までどっちにオチに振り切れるか分からないのが面白い。聞く耳持たない夫や、おっせかいな大家さんより、仲のいい女友達の方が頼りになるのもリアル笑 誰も信じてくれないって怖いなあ。

基本室内のカットになるせいか、やたらと閉塞感を覚える映画だ。かなり緻密に演出が組み立てられているんだろうなぁとは思うけど、さっぱり言語化できないのが残念なところ。ほんらいパーソナルな領域であるはずの自宅に老夫婦がズカズカ入ってきて「お節介」が「侵食」になるあたりから調子が狂う。ローズマリー悪魔崇拝を疑う理由も「変なドリンク飲まされた」とか「最近体調がすこぶる悪い」みたいにふんわりしてたり、「魔術の本に同じことが書いてある」みたいなどうとでも取れる内容なんですよね。しかもその繋がりは本人(と観客)しかわからない。他人からすれば陰謀論。ここが憎い。