映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「ザ・スイッチ」感想

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ザ・スイッチ、みた。シリアルキラーと地味な女子高生が入れ替わってしまった!というワンアイデアで押し切るホラー映画。中身が女の子のヴィンス・ボーンが面白い。キュンとくる恋愛要素もあるけど、見た目はおっさんのまま。キャスリーン・ニュートンは「名探偵ピカチュウ」の衝撃を超えなかったな。

クラスの端っこで固まってる地味な女の子、彼女をいじめる嫌味なジョックス、いじわるな先生、頼りにならない毒親…と、いつの時代のホラーを見ているんだ?と思ってしまうコテコテの設定に辟易したが、一応「入れ替わり」というギミックのフリにはなっている。が、もう一捻りあったのでは。

良くも悪くもヴィンス・ボーンの独り相撲だった。だんだん「彼女」が可愛く見えてくるからすごい。男だから怖がられることもあれば、その体力で得をすることもある。一方、女ゆえに舐められたり、逆に警戒されなかったり。もう一段踏み込めばもっと輝いた気がするけど。さらっと描いてたね。

キャスリーン・ニュートンは地味な女子演じるにはちょっとオーラがありすぎるし、眼力が強い。このキャラは「人なんて殺せなさそう」にみえることが肝だと思うが、最初からそれなりに強そうだし。「名探偵ピカチュウ」はハマっていただけに。凡庸なホラーヒロインの枠を出なかったと個人的な印象。

入れ替わりモノならばヒロインとシリアルキラーで何度か入れ替わっても良かったのにと思う。むしろ、俺はそのことを期待していたのかもしれない。女子高生とシリアルキラーが入れ替わってしまった!という設定自体は面白いのだが、最後まで引っ張るには弱い。タイムリープモノや入れ替わりモノはその反復にこそ面白さがあるので、「主人公が元に戻れるか」で引っ張るのであれば過程をひねって欲しいし、そうでないのであれば、何回も入れ替わるおかしさを突き詰めてもよかったのかなと個人的には思います。