映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「あの頃をもう一度」感想

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あの頃をもう一度、みた。「雨に唄えば」の本歌取り短編ミュージカル。雨ってネガティブなイメージを持たれることが多いけど、時と場合によっては解放や祝福を意味する。通り雨をいっときの男女の熱情になぞらえたこの映画は、雨上がりの景色にこそ「輝き」を見いだしている。これは劇場で見たかった。

公開当時「全人類見るべき!」みたいな騒がれ方をしていたもんで、ハードルを上げないでほしかったのが正直なところだが、「ラ・ラ・ランド」のフォロワーとして見ればこれがベストじゃないだろうか。可愛げと気難しさを同居させたじいさんのキャラ造形が絶妙。それでいてユニバーサルなデザイン。

みんなが傘さしてる中で、自分ひとりだけ踊り狂ったら楽しいだろうなって、思ったことは俺も一度ならずあって。本来、屋根の下に逃げ込むものだからこそ、その下に身体ひとつで立つことはものすごく解放的な意味を持つわけですね。家に引きこもってる爺さんなら尚更だろう。雨にはそういう魔力がある。

タイムズスクエア風の雑踏から、コニーアイランドを思わせる遊園地まで、ニューヨーク観光映画の趣きもある。正直、最近見方が偏ってきて、ディズニー映画の「家族推し」がうっとうしくも思えてくるのだけど、それでもやはりワクワクしてしまう映画である。