「映画大好きポンポさん」感想
映画大好きポンポさん、みた。ニャリウッドの敏腕プロデューサー・ポンポさんに抜擢された映画オタク・ジーンは大作の監督を任されることになるが…。「創作」にたいする覚悟や思想に必ずしも納得したわけではないが、映画が好きでたまらない人たちの熱き物語として見た。ナタリーちゃん可愛い。
同じくモノづくり系のアニメとして去年ヒットした「映像研には手を出すな!」と通ずる部分は多いが、本作はよりショウビズの狂気にフォーカスが当たっている。追加撮影や予算取得のくだりは面白かったが、かなりデフォルメされた世界観なので、これのみをもって映画界を語るのは難しいかもしれない。
同じくモノづくり系のアニメとして去年ヒットした「映像研には手を出すな!」と通ずる部分は多いが、本作はよりショウビズの狂気にフォーカスが当たっている。追加撮影や予算取得のくだりは面白かったが、かなりデフォルメされた世界観なので、これのみをもって映画界を語るのは難しいかもしれない。
物語の前半、何度も時系列がジャンプして、プロデューサー、監督、主演女優がこの映画に集うまでの過程が明かされていく様はたのしい。その前の「15秒TVスポット編集」からの繋ぎもテンポが良い。ポンポさんはメリー・ポピンズのような飛び道具的存在だが、しっかりドラマが用意されている。
ジーン・フィニを演じるのは清水尋也。とてもうまかった。ナタリー役の大谷凜香も声優が本業ではなく、「ミスミソウ」のいじめっ子役などで出演歴がある。正直、アニメになじむタイプの演技ではなく若干の違和感があったが、声がかわいかった。大物俳優役の大塚明夫はさすが。説得力が違いすぎる。
話が飛んだが、夢を持つふたりの若者、ジーンとナタリーがポンポさんによって見出され、目を輝かせる様はやはりグッと来てしまう。めちゃくちゃ眩しい。銀行員のアランくんが「何もない空っぽな人」みたいな扱いになってるのもジーンの価値観に寄りすぎだろと思ったが、彼の見つけた答えも素晴らしい。
本作の肝である「編集」のくだりは原作にないらしい。映画を仕上げる「編集」と、映画を作る者たちのカルマを重ねるラストスパートはとても熱い。ひとつを選ぶとき、あなたはその他のすべての可能性を捨てている。どの道が正解なのかを最後に決めるのは、やはり自分なのだと。劇中作との絡め方も憎い。