映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「青葉家のテーブル」感想

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青葉家のテーブル、観た。めちゃくちゃ好き。流れる時間が心地よい。定期的にこういう爽やかな夏映画を観たい。有名人の母から逃げるように、美術予備校に通うため、青葉家に居候することになった優子。わたしは何になりたい?そんな問いに優しく答えを示してくれる大人たち。すてきな手触りの映画。

北欧家具の会社がお金を出しているらしく、おしゃれで肩の力の抜けたライフスタイルを見せてくれる。そもそも優子の母が「センスの良い生活をしている人」という設定なので、お話の流れで押し付けがましくなることもなく、いいバランス。しかし蛙亭・中野はダメだった。嫌いじゃないけど完全にノイズ。

優子の母が特集される番組が明らかに「セブンルール」のパロディで笑ってしまった。たしかにあの番組に出てくる人はみんなキラキラしてるよなあ。しかし、そこをちょっとイジってるのが面白い。西田尚美と市川美和子のふたりはとてもチャーミングだった。ああいう大人になりたいと思う。

実質主人公の優子を演じる栗林藍希は初めて知った役者だが、とても表情がいいと思った。リク(寄川歌太)との距離感もどきどきする。ノースリーブにメガネでふらっと洗面所に来たり、瀬尾とやたら仲良さげだったり、片想いがなんとも甘酸っぱい!彼女はこれからいろんな作品に呼ばれる予感。要注目。

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私がモテてどうすんだ」でも友人役を好演していた上原実矩。今回も良い演技。ともするとクサいキャラになりがちだが、うまく血の通った「友人」を造形していた。パーティーの場面の気遣い、よかったなあ。あと、居候先の謎多き同居人・めいこの色気がすごかった。久保陽香さんの名前覚えました。

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細田佳央太も安定のうまさだったな〜。ちょっとイヤな人になってもおかしくないんだけど、なんだかんだ彼も高校生なんだよな、と思わせる。そして、この映画でいちばん可愛いのは西田尚美演じる春子なんですよね。伸び伸び生きてる感じがいい。いまの人生に「満足してる」じゃなくて「気に入ってる」。