「RUN/ラン」感想
RUN/ラン、面白かった。生まれつきの喘息持ちで車いす。そんな不自由な生活を送るクロエを献身的に支える母・クロエには秘密があり…。一本のネタで走り切る胆力!サラ・ポールソン演じる母の憎たらしさよ。本気で倒されてくれと願ったので、この映画の勝ち。清原果耶×木村佳乃でリメイクしてほしい。
一軒家で展開されるサスペンスはとても緊迫感があったし、面白く見たのだけれど、正直、演出に関しては平均点だったと思う。むしろ劇伴のアシストが効いていた。コントラバス?のギコギコ音がいい感じ。狭い空間の使い方は最近のホラーだと「ドント・ブリーズ」がよかったかな〜。
たとえば母親がキッチンで誰かと電話する姿を廊下から覗く視点のカットが何回かあるのだけど、イマイチのっぺりしていた。しかし、ゴア描写もなく、突然何かが飛び出してびっくりする場面もないのに、じっとりイヤ〜な事実が明かされ、不快感が蓄積される。ハンデを背負う主人公を応援したくなる。
「ミザリー」っぽさもある。車いすや喘息といった当人からすれば切実な問題を、ホラー映画のギミックにしてしまうのは、観ている自分もなぜか気が引けたり、「面白い!」と言いきれなかったりする。あくまで誠実でありたいと思うのだが、でもやっぱり楽しい映画は楽しい。配達員のリアクションが良い。