「誤発弾」感想
誤発弾、観た。朝鮮戦争で傷ついた家族が、貧困に喘ぎ、崩壊していく様を描く。「漢江の奇跡」より前、この国がどれだけ悲惨であったかを知った。ロッセリーニやヴィットリオ・デ・シーカらのネオレアリズモ的な手触りがある。解放村の家があまりにみすぼらしかったが、果たしてあれがリアルなのか…。
誤発弾、観た。朝鮮戦争で傷ついた家族が、貧困に喘ぎ、崩壊していく様を描く。「漢江の奇跡」より前、この国がどれだけ悲惨であったかを知った。ロッセリーニやヴィットリオ・デ・シーカらのネオレアリズモ的な手触りがある。解放村の家があまりにみすぼらしかったが、果たしてあれがリアルなのか…。
歯医者行けない、親知らずも抜けない、善良であろうと努めても一向に豊かにならないこの生活で、なにを糧に生きていけばいいのか。あの松葉杖の男も悲惨だし、チョルホの弟も、その恋人も、どうしてその道を選んだのかと責められないほど、どん詰まりの世界を生きている。
日本が朝鮮特需で高度経済成長への弾みをつけたことを思うと、その裏で蹂躙されていた彼らに何も言えなくなってしまう。韓国映画100選の一位にも選ばれたことがあるらしい。もっと他に面白い映画ある気はするが、たしかに歴史的価値があるし、非常に衝撃的ではあった。今からは想像できない世界。
あと、言われてみれば確かに「誤発弾」の解放村の一家は、「パラサイト 」における半地下の家族と重なるところがある。韓国の歴史の中で、一本の線として繋がっているのではないか。