映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「ロマンス・パパ」感想

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ロマンス・パパ、観た。60年代韓国を代表するホーム・ドラマ。ゆる〜い前半はそれなりに退屈だが、少々シビアな展開を迎える後半、これが効いてくる。パパ役のキム・スンホが素晴らしい。特に終盤のしょぼくれた顔と丸い背中の切なさよ!子どもたちによる心を込めた誕生日プレゼントにほろり。

兄と弟で靴のおさがりを押し付け合うくだりや、父は一家の「最高権力者」とされるあたり、当時の家父長制の厳しさを感じて少しピリッとするけれど、基本的にこの映画の「パパ」は、優しく、包容力にあふれた存在として描かれる。家に忍びこんだ泥棒に声を掛け、酒を飲もうとするのは笑った。

「誤発弾」と言い、この頃の韓国の家計は相当厳しかったのだろうか。経済的な厳しさに煽られて瓦解したのが「誤発弾」だとしたら、逆に絆のおかげで立っていられたのが「ロマンス・パパ」だ。お父さんとお母さんにそれぞれ「あなたが最高の妻/夫だってよ」と吹き込むくだりは可笑しかった。良作。