映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「5つ数えれば君の夢」感想

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5つ数えれば君の夢、観た。全然ハマらず、途中で寝てしまいました。東京女子流の演技、深夜ドラマならまだしも劇場公開作品のレベルに達していないと思うのだが…。文学的なセリフと世界観で引っ張っていくのは山戸結希作品のカラーだが、それ故にビジュアルの魅力の乏しさが際立ってしまったと思う。

ただ、テーマは一貫していて、これが「21世紀の女の子」や「ホットギミック ガール・ミーツ・ボーイ」に繋がっていくのだという感慨はあった。後から考えれば出口のある悩み事も、当時はとんでもなく難解で、世界のすべてを覆い尽くす問題のように見えたこと、あったんじゃないかなあという映画。

「女子校のミスコン」という舞台設定。そこで巻き起こる嫉妬や焦燥、周囲の抑圧に抗う苦しさ。可愛くあろうとステージに上がるだけで後ろ指を刺される。女の子に評価されても、外の男社会では通用しないという考えも頭を過ぎる。これをアイドル映画でやったところに意義があると思った。

ボーッとしながら観てしまったので、正直、ディテールに関してはあまり語れるところがない。ただ、全体的に画面が暗いわりにコントラストが弱く、単に光量が足りないホームビデオみたいな質感に見えた。しかもカットバックを重ねる会話劇に演者の表現力が耐えられていない。

これは個人的な好みだと思うんだけど、山戸結希の映画って「女の子」をテーマにするわりにそんなに演者を魅力的に撮っていないと思うんですよね。もしかしたら「男性目線の客体化なんてもってのほかだ」という思想のもと撮っているのかもしれないが。ただ、あのテーマを映画で撮れる監督は本当に貴重。