映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」感想

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ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結、面白かった。ジェームズ・ガンのウェットに寄せた作劇が好きになれないんだよな〜と思いつつ、無意味な殺戮に立ち向かう決死隊の生き様には、やはり滾るものがあった。ゴア描写もハリウッド大作ではひさびさの満足度。作戦の非情さはアフガン問題を想起。

予告編もボケ〜っとしか観てなかったので、序盤の展開はわりと素直にびっくりしました。ええっ!って。家のテレビで観てたらたぶん声出てた。ああいうかませ犬的なキャラ、大好きなんですよね。妙にデザインが気合入ってない(安っぽい)のも含めて。あの景色は「地獄の黙示録」を思い出す。

デヴィッド・エアー版「スーサイド・スクワッド」はハードボイルドな使い捨て部隊の戦いを期待したら、自己犠牲の美学で泣かせるタイプの映画で、ちょっと面食らったんだけど、ジェームズ・ガンはそこはもう少しドライみたいだ。観る前に危惧していた擬似家族モノに安易に振らなかったのでよかった。

ゴア描写の悪趣味さは「スーパー!」の頃から変わらない。ディズニーで映画つくって漂白されたかと思ったが、これだけの大作映画なのにガンに任せたワーナーは偉いと思う。尚更なぜ「ジャスティス・リーグ」だけヒヨってクソ映画にまとめたのか謎が深まるが…DCはマーベル以上に無秩序でいいですね。

この作戦は最初から最後までだれかの尻拭いでしかなく、アクシデントに次ぐアクシデントを人の死で補っていくような戦いなので、どう頑張ったって不毛なんですよ。でも、だからこそ決死隊の「せめてもの」という決意が非常にヒロイックに映る。しかもその理由がそれぞれにあるというのが良い。

ただ、キャラクターたちがバスの中で身の上林をぽつりぽつりと語りはじめる中盤は、あんまり好きになれないですね。さっきのツイートと矛盾するけど、ちょっと安易だと思う。そういうドラマがなくても観客は彼らのことを好きになれるんじゃないかな〜。ハーレイ・クインもちょっと持て余してた。