映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「アーヤと魔女」感想

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アーヤと魔女、観た。意地悪な魔女のもとに引き取られたアーヤの奮闘を描く。スクリーンに映される出来事よりも、その余白にこそ面白さがある映画だと思った。ほとんどがおうちの中で展開されるミニマムな味わいも悪くないが、ちょっと贅肉を落としすぎて骨張っている気もするなあ。

アヴァンタイトルはいかにも「ジブリらしい」のだが、孤児院に舞台を移して以降、非常に抑制された展開が続く。シンプルながら丁寧で、ほんとうに絵本を読んでいるようで面白いのだけど、宮崎駿のようなアニメを期待している人には物足りないだろう。3DCGの必然性も俺には見出せていない。

よくあるファンタジー風の魔女モノかと思いきや、(予告やポスターをほとんど観てない俺には)わりとびっくりな展開があった。なるほど、そういう角度って観たことなかったかもと。ただ、アーヤの母や、魔女の掟?など、世界観の奥行きに繋がらないまま投げっぱなしの設定が気になる。どこいった?

上映時間が80分しかないのもあって、物語が3分の2を過ぎたあたりでぶつっと終わったような印象を受ける。もっと描きべきことはあっただろう。主人公のアーヤの天真爛漫だけど、この年にしてまわりの大人の顔色をうかがって「操る」賢さを表現する古澤宏々路の演技もすばらしい。今後が楽しみな子役。