映画狂凡人(映画感想ツイート倉庫)

さいきん見た映画の感想を書いています。ネタバレありなので未見の方は注意してください。

「体操しようよ」感想

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体操しようよ、観た。定年退職で生きがいを失ったシングルファザーが、ラジオ体操を通してさまざまな仲間に出会う。散りばめられた伏線はほぼそのまま回収されるので面白みはないのだが、とても丁寧かつ優しいつくりで観賞後は爽やかな気持ちになる。年取っても孤独は寂しいものらしい。辛いね。

たとえば冒頭の退職の「挨拶」と、終盤の多幸感あふれる「挨拶」の対比。あるいは、ぐちゃぐちゃに竿に吊るされたシーツと、パリッと風になびく白いシーツのちがい。それぞれに円環構造が仕込まれていて、道太郎の成長に気付かされる仕掛けになっている。非常に堅実な映画だと思った。

たとえば冒頭の退職の「挨拶」と、終盤の多幸感あふれる「挨拶」の対比。あるいは、ぐちゃぐちゃに竿に吊るされたシーツと、パリッと風になびく白いシーツのちがい。それぞれに円環構造が仕込まれていて、道太郎の成長に気付かされる仕掛けになっている。非常に堅実な映画だと思った。

まじめに作られている分、突き抜けた面白さはないのが残念だった。ただ、これは観るコンディションによってはすごくハマる映画だと思う。疲れたり落ち込んだりしてるときに観るといいのではないか。自分もそんなときのためにアマゾンプライムのマイリストに残しておくべきだったのかもしれない。

正直、菊地健雄監督の作品には前も同じような印象を抱いた。萩原みのりと久保田紗友の「ハローグッバイ」もイマイチ響かなかったですね。ことし観たのにもうあんまり中身を覚えていない。題材やディテールは良いのに、全体で観ると平板な映画になってしまうのはとても残念である。