「マリグナント 狂暴な悪夢」感想
マリグナント 狂暴な悪夢、観た。素直にぎゃあ〜ってなった笑 ほぼ満席の映画館、あの瞬間はみんなで同じ感覚を共有していたと思う。本当に最悪な映像を最悪なままにお届けしてくれる。終盤に掛けては物語の加速と映像のテンションがかみ合って、恐怖と興奮ですごくハイになれました。面白かった。
たしかにリー・ワネルの「アップグレード」や「透明人間」に近いかもしれない。スクリーンの中で起こっていることの禍々しさと、映像的な興奮との良い意味でのミスマッチ。これ以上はもうやめてくれ〜って状況だけど、すごくエキサイティングなので観客としては「もっと見せてくれ!」っていう笑
前半はわりとデヴィット・フィンチャー「セブン」に代表されるサイコスリラー的な手触り。正直ちょっと退屈して眠ってしまった。プロローグで一気にギア上げてきたのに、「悪魔」による犯行の描写は淡白だ。主人公たちの皆はほとんど危険が降りかからず、あくまで平行する出来事として描かれる。
しかし、いよいよマディソンやショウ刑事の身に「悪魔」の手が忍び寄ると、面白さが加速する。そして、シドニーやレジーナといったサブのキャラクターたちの表情が一気に豊かになる。居てもいなくても変わらないと思ってた人たちにも愛着が湧いてくるのだ。前半の種まきが丁寧な分、後半はスムーズ。
ジェームズ・ワンのホラーはほとんど観たことなくて、「ワイルド・スピード」や「アクアマン」の彼しか知らないのだけど、ぐわんぐわんと振りまわすカメラワークや、地下廃墟でのTPSを彷彿とさせるフレーミングは見応えがあった。ここぞという場面での臨場感を引き出すことに成功している。